相続・贈与

相続税の税率と早見表
計算方法・速算表・税額シミュレーション【2026年版】

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相続税は超過累進税率で10%〜55%の8段階。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を差し引いた課税遺産総額を法定相続分で按分し、速算表の税率と控除額を使って計算します。この記事では、税率表・計算手順・早見表・計算例・軽減特例をまとめて解説します。

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目次(10セクション)
  1. 相続税の税率表(速算表)
  2. 相続税の計算手順
  3. 相続税額早見表
  4. 計算例で理解する相続税
  5. 相続税を軽減する主な控除・特例
  6. 法定相続人と法定相続分の早見表
  7. 一次相続と二次相続の税額比較
  8. 財産の種類別 評価方法一覧
  9. 相続税申告のスケジュールとチェックリスト
  10. よくある質問(FAQ)

相続税の税率表(速算表)

相続税は超過累進税率を採用しており、課税遺産総額を法定相続分で按分した各取得金額に応じて、以下の8段階の税率が適用されます。速算表を使えば「取得金額×税率-控除額」で簡単に計算できます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

Point

「超過累進税率」とは、取得金額の全額に最高税率がかかるのではなく、各段階を超えた部分にだけ高い税率が適用される仕組みです。速算表の控除額は、この段階計算を簡略化するためのものです。

相続税の計算手順

相続税の計算は、以下の6ステップで行います。

ステップ1:課税価格の算出

被相続人の全財産(不動産・預貯金・有価証券・生命保険金等)を時価で評価し、債務・葬式費用を差し引いて課税価格を算出します。相続開始前7年以内の贈与財産も加算します。

ステップ2:基礎控除の差し引き

課税価格から基礎控除額を差し引きます。

基礎控除額の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

課税価格が基礎控除額以下であれば、相続税はかからず申告も不要です。

ステップ3:法定相続分で按分

基礎控除後の課税遺産総額を、各相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して按分します。実際の分割割合とは関係なく、あくまで税額計算のための仮計算です。

ステップ4:速算表で税率を適用

各相続人の仮の取得金額に、上記の速算表の税率と控除額を当てはめて、各人の仮の税額を計算します。

ステップ5:相続税の総額を算出

ステップ4で計算した各人の仮の税額を合計し、相続税の総額を算出します。

ステップ6:各人の納付税額を計算

相続税の総額を、実際の取得割合に応じて各相続人に按分します。ここから配偶者の税額軽減や未成年者控除などの各種控除を差し引いたものが、各人の納付すべき相続税額となります。

相続税額早見表

遺産総額ごとの相続税額の目安を一覧にしました。配偶者が法定相続分を取得し、配偶者の税額軽減を適用した場合と、配偶者がいない場合の2パターンを掲載します。

配偶者あり(配偶者+子で相続)

配偶者が法定相続分(1/2)を取得し、配偶者の税額軽減を適用した場合の相続税の総額です。

遺産総額 子1人 子2人 子3人
5,000万円40万円10万円0円
7,000万円160万円113万円80万円
1億円385万円315万円263万円
1.5億円920万円748万円665万円
2億円1,670万円1,350万円1,218万円
3億円3,460万円2,860万円2,540万円

配偶者なし(子のみで相続)

遺産総額 子1人 子2人 子3人
5,000万円160万円80万円20万円
7,000万円480万円320万円220万円
1億円1,220万円770万円630万円
1.5億円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円
3億円9,180万円6,920万円5,460万円

注意

上記は概算の目安です。不動産の評価方法・小規模宅地等の特例・生命保険の非課税枠など、個別の事情で税額は大きく変わります。FPには財産・家計の前提整理や生活資金の比較を相談でき、個別の税額計算・特例の適用判断・申告は税務署または税理士に確認してください。

計算例で理解する相続税

計算例1:遺産8,000万円・配偶者+子2人

前提:課税価格8,000万円、法定相続人は配偶者・長男・長女の3人

  1. 基礎控除額:3,000万円+600万円×3人=4,800万円
  2. 課税遺産総額:8,000万円-4,800万円=3,200万円
  3. 法定相続分で按分:
    • 配偶者(1/2):3,200万円×1/2=1,600万円
    • 長男(1/4):3,200万円×1/4=800万円
    • 長女(1/4):3,200万円×1/4=800万円
  4. 速算表で税額計算:
    • 配偶者:1,600万円×15%-50万円=190万円
    • 長男:800万円×10%=80万円
    • 長女:800万円×10%=80万円
  5. 相続税の総額:190万円+80万円+80万円=350万円
  6. 配偶者の税額軽減を適用すると、配偶者の納税額は0円。子2人で残りの175万円ずつを負担(法定相続分どおりに取得した場合)

計算例2:遺産1億5,000万円・配偶者+子1人

前提:課税価格1億5,000万円、法定相続人は配偶者・子1人の2人

  1. 基礎控除額:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
  2. 課税遺産総額:1億5,000万円-4,200万円=1億800万円
  3. 法定相続分で按分:
    • 配偶者(1/2):1億800万円×1/2=5,400万円
    • 子(1/2):1億800万円×1/2=5,400万円
  4. 速算表で税額計算:
    • 配偶者:5,400万円×30%-700万円=920万円
    • 子:5,400万円×30%-700万円=920万円
  5. 相続税の総額:920万円+920万円=1,840万円
  6. 配偶者の税額軽減を適用すると、配偶者の納税額は0円。子が920万円を負担

計算例3:遺産5,000万円・子2人のみ(配偶者なし)

前提:課税価格5,000万円、法定相続人は子2人

  1. 基礎控除額:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
  2. 課税遺産総額:5,000万円-4,200万円=800万円
  3. 法定相続分で按分:
    • 長男(1/2):800万円×1/2=400万円
    • 次男(1/2):800万円×1/2=400万円
  4. 速算表で税額計算:
    • 長男:400万円×10%=40万円
    • 次男:400万円×10%=40万円
  5. 相続税の総額:40万円+40万円=80万円
  6. 各人の納付額:長男40万円、次男40万円(法定相続分どおりに取得した場合)

相続税を軽減する主な控除・特例

相続税には、税額を軽減するさまざまな控除・特例が設けられています。主なものを一覧にまとめます。

控除・特例 概要
配偶者の税額軽減 配偶者が取得した財産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税がかからない
小規模宅地等の特例 被相続人の自宅や事業用の土地について、評価額を最大80%減額できる(居住用330m2まで等)
未成年者控除 相続人が18歳未満の場合、18歳に達するまでの年数×10万円を税額から控除
障害者控除 相続人が障害者の場合、85歳に達するまでの年数×10万円(特別障害者は20万円)を税額から控除
生命保険の非課税枠 死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」までは非課税
死亡退職金の非課税枠 死亡退職金のうち「500万円×法定相続人の数」までは非課税
相次相続控除 10年以内に2回以上相続があった場合、前回の相続税額の一部を控除できる

注意

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用するには、相続税の申告が必要です。「税額がゼロだから申告不要」ではありませんのでご注意ください。

法定相続人と法定相続分の早見表

相続税の計算では、まず法定相続人が誰かを確定させる必要があります。民法で定められた法定相続人の範囲と法定相続分を早見表にまとめます。

法定相続人の優先順位

順位 法定相続人 備考
常に相続人配偶者婚姻届を出している法律上の配偶者のみ。内縁関係は対象外
第1順位子(代襲相続:孫)実子・養子ともに対象。子が先に死亡していれば孫が代襲
第2順位父母(代襲相続:祖父母)子がいない場合に相続人となる。父母が先に死亡していれば祖父母
第3順位兄弟姉妹(代襲相続:甥・姪)子も父母もいない場合に相続人となる。代襲は甥・姪まで

法定相続分の一覧

相続人の組み合わせ 配偶者の相続分 他の相続人の相続分
配偶者+子1/2子が1/2を均等分割
配偶者+父母2/3父母が1/3を均等分割
配偶者+兄弟姉妹3/4兄弟姉妹が1/4を均等分割
配偶者のみ全部―
子のみ―子が全部を均等分割

養子の人数制限(相続税法上)

民法上は養子の人数に制限はありませんが、相続税の計算では法定相続人に含められる養子の数に上限があります。実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までが法定相続人としてカウントされます。基礎控除・生命保険の非課税枠・死亡退職金の非課税枠のいずれにも影響します。

具体例:法定相続人3人の基礎控除額

  • 配偶者+子2人 → 3,000万円+600万円×3=4,800万円
  • 配偶者+子1人+養子1人 → 3,000万円+600万円×3=4,800万円
  • 子3人(配偶者なし) → 3,000万円+600万円×3=4,800万円
  • 配偶者+父母2人 → 3,000万円+600万円×3=4,800万円

一次相続と二次相続の税額比較

相続対策で見落としがちなのが二次相続です。一次相続(例:父が亡くなったとき)では配偶者の税額軽減を最大限に使えますが、二次相続(母が亡くなったとき)ではこの軽減が使えません。一次と二次をトータルで試算しないと、かえって税負担が増えるケースがあります。

シミュレーション:遺産1億円の場合

前提:父の遺産1億円、法定相続人は母+子2人。母が亡くなる時点で母固有の財産はゼロとする。

分割パターン 一次相続税 二次相続税 合計
母が1/2(5,000万円)取得 315万円 40万円 355万円
母が2/3(6,667万円)取得 197万円 113万円 310万円
母が全額(1億円)取得 0円 770万円 770万円

Point

「一次相続で配偶者が全額取得すれば税額ゼロ」は正しいですが、二次相続を含めたトータルでは最も税負担が大きくなるケースが多いです。上記の例では、母が全額取得すると合計770万円なのに対し、2/3取得なら合計310万円と約460万円の差が生じます。

二次相続で税負担が増える3つの理由

  1. 配偶者の税額軽減が使えない ― 二次相続では配偶者がいないため、最大の軽減策が適用されません
  2. 基礎控除が600万円減る ― 法定相続人が1人減るため、基礎控除額が小さくなります
  3. 小規模宅地等の特例の取得者要件が変わる ― 配偶者には居住・保有継続という取得者ごとの追加要件がありませんが、子は同居親族または家なき子に関する要件を確認します。どちらも対象土地・取得範囲・分割・申告書類の確認は必要です

財産の種類別 評価方法一覧

相続税の課税価格は、財産ごとに定められた評価方法で算出します。「時価」といっても財産の種類で評価方法が異なるため、概要を押さえておきましょう。

財産の種類 評価方法 時価との関係
現金・預貯金 残高そのまま(定期預金は既経過利子を加算) 額面=評価額
上場株式 相続開始日の終値、または相続開始月・前月・前々月の各月平均のうち最も低い額 市場価格に近い
非上場株式 類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式のいずれか 評価が複雑で専門家が必要
土地(宅地) 路線価方式(市街地)または倍率方式(郊外) 時価の約80%が目安
建物 固定資産税評価額 時価の約50〜70%が目安
生命保険金 受取金額 −(500万円×法定相続人数) 受取額から非課税枠を差し引く
死亡退職金 受取金額 −(500万円×法定相続人数) 受取額から非課税枠を差し引く
ゴルフ会員権 取引相場の70% 時価の約70%
家庭用財産 売買実例・精通者意見等を参考に評価 通常は少額

土地の評価で大きな差が出る:路線価と実勢価格

土地は相続財産の中でも金額が大きく、評価額次第で税額が大きく変わります。路線価は公示価格の約80%を目安に設定されているため、実勢価格(売買価格)より低くなるのが一般的です。

  • 公示価格 5,000万円の土地 → 路線価評価 約4,000万円
  • さらに小規模宅地等の特例(80%減額)が使えれば → 評価額 約800万円

このように、土地の評価と特例の適用で課税価格は数千万円単位で変わり得ます。

Point

不動産を多く所有している場合、生前に不動産の評価額を概算しておくことが重要です。路線価は毎年7月に国税庁から公表されます。

相続税申告のスケジュールとチェックリスト

相続が発生してから申告・納税まで10か月しかありません。期限内に対応すべき手続きをスケジュールとチェックリストで整理します。

相続発生後のスケジュール

期限 手続き 届出先
7日以内死亡届の提出市区町村役場
14日以内年金受給停止届、世帯主変更届年金事務所、市区町村役場
3か月以内相続放棄・限定承認の申述家庭裁判所
4か月以内準確定申告(被相続人の所得税)税務署
10か月以内相続税の申告・納税被相続人の住所地の税務署
1年以内遺留分侵害額請求の期限相手方に対して意思表示
3年以内不動産の相続登記(義務化済み)法務局

相続税申告の準備チェックリスト

以下の項目を10か月の期限内に完了させる必要があります。

  • ☐ 戸籍謄本の収集(出生から死亡まで・相続人全員分)
  • ☐ 遺言書の有無の確認(自筆証書遺言の場合は家庭裁判所で検認)
  • ☐ 財産目録の作成(不動産・預貯金・有価証券・保険・債務)
  • ☐ 不動産の登記簿謄本・固定資産税評価証明書の取得
  • ☐ 金融機関への残高証明書の請求(相続開始日時点)
  • ☐ 生命保険の死亡保険金の請求・受取額の確認
  • ☐ 過去7年間の贈与の有無と贈与税申告の確認
  • ☐ 遺産分割協議の実施と遺産分割協議書の作成
  • ☐ 小規模宅地等の特例の適用可否の確認
  • ☐ 相続税申告書の作成と提出
  • ☐ 納税資金の確保(現金一括が原則、延納・物納の検討)
  • ☐ 不動産の相続登記

注意:期限に遅れた場合のペナルティ

申告期限を過ぎると、以下の加算税・延滞税がかかる可能性があります。

  • 無申告加算税:本税の15%(50万円超の部分は20%)。税務調査前に自主申告すれば5%
  • 延滞税:納期限の翌日から年2.4%(2か月超は年8.7%)※2026年の場合
  • 重加算税:仮装・隠蔽があった場合は35%(無申告の場合は40%)

また、期限後申告には加算税・延滞税が生じ得ます。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は期限後だから一律に適用不可とは限りませんが、分割時期、当初申告の内容、添付書類などで扱いが変わります。「小規模宅地等の特例の期限・未分割の確認」も参照し、期限を過ぎたら税務署または税理士へ直ちに確認してください。

よくある質問(FAQ)

相続税の税率は何段階ですか?
相続税の税率は10%〜55%の8段階の超過累進税率です。課税遺産総額を法定相続分で按分した後の取得金額に応じて、1,000万円以下は10%、6億円超は55%が適用されます。取得金額の全額に最高税率がかかるのではなく、各段階を超えた部分にのみ高い税率が適用されます。
相続税の基礎控除はいくらですか?
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。例えば配偶者と子2人の3人が法定相続人の場合、3,000万円+600万円×3人=4,800万円が基礎控除となります。課税価格がこの金額以下であれば相続税はかからず、申告も不要です。
配偶者がいると相続税はどのくらい安くなりますか?
配偶者の税額軽減により、配偶者が取得した財産のうち法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。例えば遺産1億円を配偶者と子2人で相続する場合、配偶者が法定相続分(1/2)を取得すれば配偶者の税額はゼロです。ただし、この軽減を適用するには申告が必要です。
相続税の計算で一番間違えやすいポイントは何ですか?
最も間違えやすいのは、各相続人の実際の取得額に直接税率をかけてしまうことです。正しくは、課税遺産総額を法定相続分で按分してから速算表の税率を適用し、算出した仮の税額を合計して「相続税の総額」を出し、それを実際の取得割合で再按分します。この2段階計算が相続税特有の仕組みです。
相続税の申告期限はいつですか?
相続の開始を知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に申告・納税する必要があります。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が生じ得ます。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は期限後申告だけを理由に一律不可ではありませんが、分割・添付書類・各制度の要件を個別に確認します。
一次相続と二次相続ではどちらの税負担が大きくなりますか?
一般的に二次相続のほうが税負担が大きくなります。一次相続では配偶者の税額軽減が使えますが、二次相続(残された配偶者が亡くなったとき)では使えません。また法定相続人が1人減るため基礎控除額も600万円少なくなります。一次で配偶者が全額取得すると一次は税額ゼロですが、二次で大きな負担が発生するため、一次と二次のトータルで最適な分割を考えることが重要です。

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最終確認日:

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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