税金・節税

法人住民税の計算方法
均等割と法人税割の算出ステップ

税金と固定費を確認して毎月の手取りの余白を整える場面
税金や控除の確認を、毎月の手取りと将来資金の判断につなげます。

法人住民税の計算方法を均等割(資本金×従業員数)と法人税割(法人税額×税率)に分けて解説。

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目次(5セクション)
  1. 法人住民税の2つの構成要素
  2. 均等割の算出
  3. 法人税割の算出
  4. 計算例(ステップ一覧表つき)
  5. FPに相談すべきケース

法人住民税の2つの構成要素

法人住民税は「均等割」と「法人税割」という2つの要素を合算して算出されます。均等割は法人の規模(資本金等の額・従業員数)に応じて定額で課される固定的な税であり、法人税割は国税の法人税額に税率を掛けて計算される所得連動型の税です。

均等割は赤字であっても必ず発生する一方、法人税割は法人税額がゼロなら負担もゼロとなります。この2つの性格の異なる税を合わせたものが法人住民税の総額であり、法人住民税=均等割+法人税割という計算式が基本です。

また、法人住民税は道府県民税と市町村民税に分かれており、それぞれに均等割と法人税割が存在します。申告・納付もそれぞれの自治体に対して行う必要があるため、実際の計算では道府県分と市町村分を分けて算出し、最後に合算するステップを踏みます。

法人住民税と個人住民税は課税の仕組みが大きく異なります。個人住民税は所得割と均等割で構成され、均等割は年間約5,000円程度ですが、法人住民税の均等割は最低でも年間7万円です。また、個人住民税には扶養控除や医療費控除が適用されますが、法人住民税にはそうした控除制度がありません。住民税の全体像については「住民税とは」で解説しています。

均等割の算出

均等割の税額は、地方税法に定められた税額表に基づいて決まります。判定基準は「資本金等の額」と「事務所等の従業員数が50人を超えるかどうか」の2軸です。資本金等の額は1,000万円以下、1,000万円超1億円以下、1億円超10億円以下、10億円超50億円以下、50億円超の5段階に区分されています。

道府県民税の均等割は年額2万円から80万円、市町村民税の均等割は年額5万円から300万円の範囲で設定されています。たとえば、資本金1,000万円以下で従業員50人以下の法人は、道府県民税2万円+市町村民税5万円=合計7万円が年間の均等割額です。均等割の全9段階の税額表は「法人住民税の均等割」で詳しくまとめています。

事業年度が12ヶ月に満たない場合は、月数按分で計算します。たとえば設立初年度が6ヶ月であれば、均等割は年額の6/12で半額となります。1ヶ月に満たない端数は1ヶ月として切り上げて計算する点に注意が必要です。

均等割の算出で間違えやすいのが「資本金等の額」の判定です。2015年度税制改正以降、資本金と資本準備金の合計額に加え、資本金に資本剰余金を加えた額と比較して大きい方を用います。たとえば、資本金が900万円で資本剰余金が200万円ある法人の場合、資本金+資本剰余金=1,100万円が判定基準となり、「1,000万円超1億円以下」の区分が適用されます。形式的な資本金の額だけを見て計算すると税額を過少申告するリスクがあるため注意が必要です。

法人税割の算出

法人税割は「法人税額 × 税率」で計算します。道府県民税の標準税率は1.0%、市町村民税の標準税率は6.0%で、合計7.0%が標準的な法人税割の税率です。自治体によっては超過税率を適用しており、制限税率(道府県2.0%、市町村8.4%)の範囲内で引き上げられている場合があります。超過税率の仕組みは「法人住民税の法人税割」で詳しく解説しています。

計算の手順としては、まず国税の確定申告で算出された法人税額を把握し、その金額に各自治体の税率を掛けます。たとえば法人税額が200万円で標準税率が適用される場合、道府県民税の法人税割は200万円 × 1.0% = 2万円、市町村民税の法人税割は200万円 × 6.0% = 12万円、合計14万円です。

複数の自治体に事務所を持つ法人は、各自治体に法人税額を按分したうえで、それぞれの税率を適用して計算します。按分の基準は原則として各事務所の従業員数です。従業員数が多い拠点ほど、その自治体に対する法人税割の負担が大きくなります。

法人税割の計算で注意すべきもう一つのポイントは、税額控除の取り扱いです。試験研究費の税額控除や中小企業投資促進税制の控除を適用して法人税額が減少した場合、その減少後の金額が法人税割の課税標準となります。たとえば、法人税額が300万円で試験研究費の税額控除が50万円ある場合、法人税割の課税標準は250万円です。法人税割は250万円 × 7.0% = 17万5,000円となり、控除前の21万円より3万5,000円少なくなります。

計算例(ステップ一覧表つき)

ここでは、資本金800万円・従業員30人・法人税額200万円の中小企業を例に、法人住民税の計算ステップを示します。

ステップ項目計算内容金額
1均等割の区分判定資本金1,000万円以下・従業員50人以下-
2道府県民税 均等割年額(定額)2万円
3市町村民税 均等割年額(定額)5万円
4均等割 合計ステップ2 + ステップ37万円
5道府県民税 法人税割200万円 × 1.0%2万円
6市町村民税 法人税割200万円 × 6.0%12万円
7法人税割 合計ステップ5 + ステップ614万円
8法人住民税 合計ステップ4 + ステップ721万円

まず均等割は、資本金1,000万円以下かつ従業員50人以下の区分に該当するため、道府県民税2万円+市町村民税5万円=年間7万円です。事業年度が12ヶ月であれば、この金額がそのまま適用されます。

次に法人税割は、標準税率を適用する場合、道府県民税が200万円 × 1.0% = 2万円、市町村民税が200万円 × 6.0% = 12万円で、合計14万円となります。もし超過税率が適用される自治体であれば、この金額はさらに増加します。

以上を合算すると、均等割7万円+法人税割14万円=法人住民税の合計は年間21万円です。仮に同じ条件で法人税額が500万円に増えた場合、法人税割は500万円 × 7.0% = 35万円となり、均等割7万円と合わせて合計42万円になります。このように、法人税割は業績に連動するため、利益が増えるほど法人住民税の総額も大きくなります。

さらに、資本金が大きい法人の例も見てみましょう。資本金5億円・従業員200人・法人税額3,000万円の法人の場合、均等割は「1億円超〜10億円以下・50人超」の区分で道府県民税13万円+市町村民税40万円=合計53万円です。法人税割は3,000万円 × 7.0% = 210万円(標準税率の場合)となり、法人住民税の合計は263万円に達します。超過税率の自治体であればさらに増加し、法人税割だけで312万円(3,000万円 × 10.4%)となる可能性もあります。

💬 相談事例から

📋 独立起業したAさん(法人設立済み)

個人事業から法人化したAさん。個人の住民税と法人住民税の違い、役員報酬の設定と住民税の関係がわからず相談。FPが役員報酬の金額別に住民税・社会保険料のシミュレーションを行い、法人と個人トータルでの税負担を最適化しました。

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📋 自営業のBさん(家族あり・住宅ローンあり)

事業の赤字が続いた年の法人住民税の均等割が負担だったBさん。FPが個人側の住民税控除(住宅ローン控除・社会保険料控除)を見直し、世帯全体の税負担を整理。事業と家計の資金繰りを分離して管理する方法を提案しました。

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FPに相談すべきケース

法人住民税の計算自体は税理士の業務ですが、経営者にとって重要なのは「計算結果をどう経営判断に活かすか」です。法人住民税は法人税・事業税・消費税とともに法人の税負担の一部であり、これらを総合的に見たうえで役員報酬の設定や拠点の配置、設備投資のタイミングなどを決める必要があります。

FPは法人の税務だけでなく、経営者個人の所得税・住民税・社会保険料、さらにはライフプラン全体を見渡した助言が可能です。たとえば、役員報酬を年間100万円引き上げると法人税額が約23万円減り法人税割も約1万6,000円下がりますが、経営者個人の所得税・住民税・社会保険料が増えるため、トータルでプラスかマイナスかはケースバイケースです。こうした法人・個人を横断した最適化こそ、FPに相談する価値があります。

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※相談内容をもとに個人が特定されない形で要約した例です。実際の提案内容は家計・制度・時期により異なります。

無料相談の流れ

  1. STEP1. 予約

    希望日時を選んで、無料相談を予約します(Zoom30分から)。

  2. STEP2. 収入・控除・固定費の確認

    給与、住民税、所得税、扶養、保険料、医療費、固定費を確認します。

  3. STEP3. 手取りと控除漏れを整理

    使える控除、通知書の見方、申告が必要なものを家計への影響と一緒に見ます。

  4. STEP4. 浮いたお金の使い道を整理

    教育費、老後資金、住宅費へどう回すかを決めます。

相談を担当するFP

ファイナンシャルプランナー 三谷 望

三谷 望 (みたに のぞむ)

FP2級資産形成、家計見直し

柔らかい雰囲気で、初心者にも分かりやすい丁寧な資産形成のサポートが得意。 税金・控除・固定費を一緒に確認し、手取りの余白を整理します。

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最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

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