法人住民税とは|均等割・法人税割と赤字企業の負担【2026】
法人住民税は、法人が事務所を置く都道府県・市区町村に納める地方税で、均等割(最低7万円・赤字でも必ず発生)+法人税割(法人税額×10.4%)の2本立てです。資本金1億円以下の中小法人の多くは、均等割7万円+法人税割で済みます。
結論(押さえるべき4点)
- 均等割:資本金と従業員数で決まる定額(最低7万円)
- 法人税割:法人税額 × 10.4%(標準税率)
- 赤字でも均等割7万円は毎年必ず発生
- 申告期限:事業年度終了から2か月以内
法人住民税の構成
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 都道府県民税 均等割 | 資本金で2万〜80万円 |
| 都道府県民税 法人税割 | 法人税額 × 1.0% |
| 市町村民税 均等割 | 資本金・従業員数で5万〜300万円 |
| 市町村民税 法人税割 | 法人税額 × 6.0%(超過9.7%) |
資本金別・均等割一覧(東京都)
| 資本金 | 従業員50人以下 | 従業員50人超 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 7万円 | 14万円 |
| 1,000万〜1億円 | 18万円 | 20万円 |
| 1億〜10億円 | 29万円 | 53万円 |
| 10億〜50億円 | 95万円 | 229万円 |
| 50億円超 | 121万円 | 380万円 |
他の自治体も同様の区分。東京は「都民税+特別区民税」が合算される独自方式です。
赤字でも均等割は発生する
法人税割は法人税額に連動するため赤字ならゼロですが、均等割は「法人として存在している対価」として必ず発生します。休眠会社でも年7万円は発生するため、使わない法人は清算または休眠届を出すのが得策です。
申告と納付
事業年度終了の翌日から2か月以内に、都道府県・市区町村それぞれに申告書を提出し、同時に納付します。電子申告(eLTAX)が標準です。中間申告は前年の法人税割額20万円超で必要になります。
法人住民税の計算例(資本金1,000万・黒字)
年間法人税額が200万円、東京都内・従業員30名の法人のケース。
- 都民税 均等割:7万円(資本金1,000万以下・特別区内)
- 都民税 法人税割:200万円 × 1.0%=2万円
- 特別区民税 均等割:含む(都民税に合算)
- 法人税割合計:200万円 × 10.4%=20.8万円
- 法人住民税年額:合計 27.8万円前後
事業税・特別法人事業税を含めると、法人税と合わせた実効税率は約33%。中小法人の節税は、役員報酬・生命保険・福利厚生・設備投資の減価償却などが中心です。
赤字企業でも発生する均等割の実態
赤字でも均等割だけは毎年必ず発生。資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人なら年7万円が最低ラインです。
| 法人の状態 | 法人税割 | 均等割 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 黒字 | 法人税×10.4% | 7万円〜 | 法人税×10.4%+均等割 |
| 赤字 | 0円 | 7万円 | 7万円 |
| 休眠 | 0円 | 7万円(原則) | 7万円 |
| 清算中 | 0円 | 月割で発生 | 月割分 |
10年赤字が続けば均等割だけで70万円の負担。使わない法人は早めに解散・清算する方が経済的です。
資本金と従業員数でどれだけ変わるか
| 資本金 | 従業員 | 都民税+特別区民税 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 50人以下 | 7万円 |
| 1,000万〜1億円 | 50人以下 | 18万円 |
| 1,000万〜1億円 | 50人超 | 20万円 |
| 1億〜10億円 | 50人超 | 53万円 |
| 10億〜50億円 | 50人超 | 229万円 |
| 50億円超 | 50人超 | 380万円 |
資本金を1億円以下に抑える「中小法人化」は、住民税均等割だけで年10万円以上の差に。成長期の増資タイミングは税負担を必ず検討してください。
複数自治体に事業所がある場合の按分
本社・支店・営業所が複数の自治体にある場合、均等割と法人税割を従業員数比で按分して各自治体に納めます。
- 均等割:事業所ごとに該当金額を計算して合算
- 法人税割:全社の法人税額を従業員数比で按分
- 事業税:事業所ごとの売上・給与で按分(ネット化で複雑)
自治体が増えるほど申告・納付の事務負担が増加。複数拠点の法人は電子申告(eLTAX)の活用が必須です。
中間申告と確定申告のタイミング
事業年度6か月超の法人は、中間申告が必要になります(前年法人税割額20万円超が条件)。
- 中間申告:事業年度開始から6か月経過後2か月以内に、前年税額の半分または仮決算ベースで申告・納付
- 確定申告:事業年度終了から2か月以内(延長申請で1か月延長可)
- 納付:申告と同時に納付。分割納付は原則不可
法人住民税と自治体政策
住民税の用語集(このページで使った言葉)
- 所得割
- 前年の課税所得に10%(道府県4%+市町村6%)を掛けて計算する住民税の主要部分。年収に応じて変動する。
- 均等割
- 所得に関係なく住民全員が定額で負担する部分。標準は年5,000円(道府県1,500円+市町村3,500円+森林環境税1,000円)。
- 森林環境税
- 2024年度から徴収開始された国税。均等割と一緒に年1,000円が徴収され、森林整備の財源になる。
- 特別徴収/普通徴収
- 特別徴収は勤務先が給与天引きで自治体に納める方式(会社員)、普通徴収は納税者本人が納付書で納める方式(自営業など)。
- 調整控除
- 所得税と住民税で基礎控除・扶養控除などの金額差があるため、住民税が過大にならないよう調整する控除。年2,500円前後。
- 寄附金税額控除
- ふるさと納税などの寄附金を住民税から直接差し引く制度。6月の通知書で反映を確認できる。
- 定額減税
- 2024年から実施されている税額軽減策。住民税から1人1万円(本人+控除対象配偶者+扶養親族)が差し引かれる。
- 1月1日時点の住所地
- 住民税はこの時点での住民票所在地の自治体に1年分納める。年の途中で引っ越しても納付先は変わらない。
住民税で損しないための10項目チェックリスト
- 6月の通知書が届いたら「課税所得」「所得割額」「寄附金税額控除」の3項目を必ず確認
- ふるさと納税はワンストップ特例の提出期限(翌年1月10日)を守る
- 生命保険料・地震保険料・iDeCoの控除証明書は年末調整で必ず提出
- 医療費が世帯で10万円を超えたら確定申告で医療費控除を申告
- 副業がある人は住民税申告で「自分で納付」を選択
- 要介護の親・配偶者がいる場合は障害者控除対象者認定書を取得
- 退職・独立する人は翌年の住民税分を退職前に積み立てる
- 育休・休職で所得が激減したら減免申請を検討
- 納期に間に合わないなら延滞金発生前に徴収猶予を申請
- 過去5年分の申告漏れは更正の請求で還付される可能性あり
住民税をさらに深く理解するための関連記事
本サイトでは住民税をテーマ別に17本の記事で解説しています。以下の関連記事もあわせてお読みください。
よくある質問
Q. 設立初年度はいつから均等割がかかる?
設立日から月割りで課税されます。12月設立で3月決算なら4か月分。
Q. 休眠届を出せば均等割はゼロになる?
自治体により扱いが違います。東京都は「休眠届+法人税割ゼロ申告」で均等割が軽減される場合がありますが、完全ゼロは稀です。
Q. 同族会社に住民税の優遇はある?
特にありません。資本金と従業員数だけで均等割が決まります。
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