法人住民税の均等割
資本金・従業員数で決まる年間の固定負担
法人住民税の均等割の税額表(資本金×従業員数の9段階)と、赤字でも必ずかかる仕組みを解説。
手取りを整えて、我慢していた楽しみを戻す(無料・Zoom30分)
目次(5セクション)
均等割の税額表(9段階一覧)
法人住民税の均等割は、道府県民税と市町村民税それぞれに税額が定められています。道府県民税の均等割は年額2万円から80万円、市町村民税の均等割は年額5万円から300万円の範囲で、資本金等の額と従業員数の組み合わせにより税額が決まります。
| 資本金等の額 | 従業員数 | 道府県民税 | 市町村民税 | 合計(年額) |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 50人以下 | 2万円 | 5万円 | 7万円 |
| 1,000万円以下 | 50人超 | 2万円 | 12万円 | 14万円 |
| 1,000万円超〜1億円以下 | 50人以下 | 5万円 | 13万円 | 18万円 |
| 1,000万円超〜1億円以下 | 50人超 | 5万円 | 15万円 | 20万円 |
| 1億円超〜10億円以下 | 50人以下 | 13万円 | 16万円 | 29万円 |
| 1億円超〜10億円以下 | 50人超 | 13万円 | 40万円 | 53万円 |
| 10億円超〜50億円以下 | 50人以下 | 54万円 | 41万円 | 95万円 |
| 10億円超〜50億円以下 | 50人超 | 54万円 | 175万円 | 229万円 |
| 50億円超 | 50人超 | 80万円 | 300万円 | 380万円 |
上の表のとおり、最も負担が軽いのは資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人で年間7万円、最も重いのは資本金50億円超・従業員50人超の法人で年間380万円です。同じ資本金区分でも従業員数が50人を超えると市町村民税の均等割が跳ね上がるため、従業員数の把握は欠かせません。
資本金が大きくなるほど税額は上がり、資本金50億円超かつ従業員50人超の法人では、道府県民税80万円+市町村民税300万円=合計380万円に達します。この税額表は地方税法で定められた標準税率に基づくものであり、ほとんどの自治体でそのまま適用されています。均等割を含む法人住民税の計算手順の全体像は「法人住民税の計算方法」で詳しく解説しています。
なお、個人住民税の均等割は年間約5,000円程度であるのに対し、法人の均等割は最低でも年間7万円と約14倍の開きがあります。個人事業主から法人化を検討する際には、この均等割の負担増を見込んだうえで法人化のメリット(法人税率の適用、社会的信用の向上など)と比較する必要があります。住民税の全体像は「住民税とは」で確認できます。
資本金と従業員数の区分
均等割の判定に使われる「資本金等の額」とは、資本金の額と資本準備金の額の合計です。ただし、2015年度税制改正以降、資本金に資本剰余金を加えた額と比較して大きい方を用いる規定が設けられており、減資をしても資本剰余金が多ければ区分が下がらない場合があります。
従業員数の判定は、事業年度末日時点でその自治体内の事務所等に勤務する従業員の数で行います。従業員にはパート・アルバイトも含まれますが、役員は原則として含まれません。従業員数が50人を超えるか以下かで均等割の税額が変わるため、50人前後の法人は人数の把握が重要です。
複数の自治体に事務所を持つ法人は、自治体ごとに従業員数を判定します。たとえば本社所在地の従業員が60人、支店所在地の従業員が20人の場合、本社所在地では「50人超」の区分、支店所在地では「50人以下」の区分がそれぞれ適用されます。
具体的なケースで考えてみましょう。資本金3,000万円の法人が本社(従業員48人)と支店(従業員5人)を持つ場合、本社は「1,000万円超〜1億円以下・50人以下」で均等割18万円、支店も同じ区分で18万円、合計36万円です。ところが本社の従業員が51人に増えると、本社の区分は「50人超」に変わり均等割は20万円に上がります。わずか3人の増減で年間2万円の差が出るため、人員配置の計画時にはこの境界線を意識しておくと有利です。
なお、派遣社員については、派遣先の事務所の従業員数には原則として含まれません。派遣元の事業所の従業員として算入されるため、従業員数が50人の境界にある法人にとっては、正社員の採用と派遣社員の活用で均等割の区分が変わる可能性があります。
赤字でもかかる理由
均等割が赤字でも課税される理由は、均等割が「応益負担」の考え方に基づく税だからです。法人がその自治体に事務所を構えることで、道路・上下水道・消防・治安維持といった行政サービスの恩恵を受けており、その対価として一定額を負担するという趣旨で設計されています。
法人税割が「応能負担」(稼ぐ力に応じた負担)であるのに対し、均等割は「存在していること」に対する課税です。そのため、売上がゼロでも、赤字が何年続いていても、法人として登記があり事務所等を維持している限り均等割は免除されません。
均等割の負担を完全になくすには、法人を解散・清算するか、自治体に休眠届を提出して事業活動を停止するかのいずれかが必要です。ただし、休眠届を出しても自治体によっては均等割が免除されない場合があるため、事前に管轄の自治体に確認することが大切です。
赤字が長期間続いている場合、均等割の累積負担は無視できません。資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人でも年間7万円ですから、5年間で35万円、10年間で70万円の均等割が発生します。法人を維持するメリット(繰越欠損金の活用、将来の事業再開など)と均等割のコストを天秤にかけ、法人の存続・休眠・解散を判断する必要があります。
減免の有無
法人住民税の均等割には、一定の条件を満たす法人に対して減免措置が設けられている場合があります。減免の内容や対象は自治体ごとに異なりますが、代表的な対象としてはNPO法人、公益社団法人・公益財団法人、社会福祉法人などの非営利法人が挙げられます。
たとえば東京都では、収益事業を行っていない公益法人等については、均等割の全額または一部が減免される制度があります。また、自治体によっては、設立後間もない法人や災害を受けた法人に対して均等割の減免を認めているケースもあります。
減免を受けるためには、原則として申告期限までに自治体に減免申請書を提出する必要があります。自動的に適用されるものではないため、該当する可能性がある法人は事前に管轄の都道府県税事務所や市区町村の税務課に問い合わせることをおすすめします。なお、通常の営利法人(株式会社・合同会社など)が赤字を理由に均等割の減免を受けることは、原則としてできません。申告・届出の具体的な手続きについては「法人住民税の申告・納付」をご覧ください。
減免申請を行う際の実務上の注意点として、申告期限を過ぎてからの申請は認められないケースがほとんどです。減免対象となる法人は、事業年度の開始前から減免申請のスケジュールを確認しておくことが重要です。また、減免が認められる期間は自治体によって1年限りのケースと、継続して認められるケースがあり、毎年の申請が必要な場合もあります。
💬 相談事例から
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均等割は税理士が申告・計算を担当する領域ですが、経営者にとっては「均等割を含む法人維持コストと、個人事業のままでいるコストのどちらが有利か」という経営判断が重要です。法人化によって法人税率の適用・社会保険加入・退職金積立が可能になる一方、均等割の負担増・社会保険料の事業主負担・税理士報酬の増加というデメリットもあります。
FPは法人の税務だけでなく、経営者個人の所得税・住民税・社会保険料・退職金設計・相続対策までを見渡した総合的なアドバイスが可能です。法人化すべきか個人事業のままがよいか判断に迷っている方、複数拠点の統廃合を検討しており均等割のコスト比較をしたい方、役員報酬の設定と法人税・個人の手取りのバランスを最適化したい方は、FPへの相談が有効です。
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※相談内容をもとに個人が特定されない形で要約した例です。実際の提案内容は家計・制度・時期により異なります。
無料相談の流れ
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STEP1. 予約
希望日時を選んで、無料相談を予約します(Zoom30分から)。
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STEP2. 収入・控除・固定費の確認
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相談を担当するFP
三谷 望 (みたに のぞむ)
柔らかい雰囲気で、初心者にも分かりやすい丁寧な資産形成のサポートが得意。 税金・控除・固定費を一緒に確認し、手取りの余白を整理します。
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最終確認日:2026-05-14
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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