住民税の税率|一律10%の内訳と政令指定都市の特例【2026】
住民税の所得割税率は、全国一律10%です。内訳は道府県民税4%+市町村民税6%(政令指定都市は2%+8%)で、合計値は変わりません。均等割5,000円と森林環境税1,000円が所得にかかわらず加算され、これが住民税の基本構造です。
結論(押さえるべき4点)
- 所得割:課税所得×10%(道府県4%+市町村6%)
- 政令市:道府県2%+市町村8%(合計は同じ10%)
- 均等割:道府県1,500円+市町村3,500円+森林環境税1,000円=5,000円
- 神奈川・横浜・宮城・兵庫などは数百円の超過課税
所得割税率10%の内訳
| 区分 | 通常の自治体 | 政令指定都市 |
|---|---|---|
| 道府県民税 | 4% | 2% |
| 市町村民税 | 6% | 8% |
| 合計 | 10% | 10% |
政令指定都市は、道府県の権限の一部が市に移譲されているため、税収配分も変わっています。納税者の負担は同じ10%です。
超過課税している自治体
| 自治体 | 名称 | 金額 |
|---|---|---|
| 神奈川県 | 水源環境保全税 | 均等割+300円/所得割+0.025% |
| 横浜市 | みどり税 | 均等割+900円 |
| 宮城県 | みやぎ環境税 | 均等割+1,200円 |
| 兵庫県 | 県民緑税 | 均等割+800円 |
| 岩手県 | いわての森林づくり県民税 | 均等割+1,000円 |
実質負担率のシミュレーション
年収500万円・独身の場合、課税所得約230万円で所得割23万円+均等割5,000円=23.5万円。年収に対する実質負担率は約4.7%です。年収1,000万円では約6.2%まで上がります(控除が相対的に小さくなるため)。
所得税率との比較
所得税は5〜45%の累進ですが、住民税は一律10%。年収300万円の人も5,000万円の人も、住民税の税率は変わりません。「高額所得者ほど住民税率が上がる」という誤解が多いですが、上がるのは所得税率のみです。
年収別の実質負担率シミュレーション
| 年収 | 所得割 | 均等割 | 合計 | 年収比 |
|---|---|---|---|---|
| 200万円 | 7.0万円 | 0.5万円 | 7.5万円 | 3.8% |
| 400万円 | 16.5万円 | 0.5万円 | 17.0万円 | 4.3% |
| 600万円 | 30.8万円 | 0.5万円 | 31.3万円 | 5.2% |
| 800万円 | 44.6万円 | 0.5万円 | 45.1万円 | 5.6% |
| 1,200万円 | 78.7万円 | 0.5万円 | 79.2万円 | 6.6% |
| 1,800万円 | 128.3万円 | 0.5万円 | 128.8万円 | 7.2% |
税率は一律10%でも、給与所得控除・基礎控除の効き方で実質負担率は右肩上がり。年収1,000万円を境に負担率6%を超えます。
政令指定都市の税率配分の意味
政令指定都市(札幌・仙台・千葉・横浜・川崎・相模原・新潟・静岡・浜松・名古屋・京都・大阪・堺・神戸・岡山・広島・北九州・福岡・熊本)では、道府県民税2%・市民税8%という特殊配分になります。
これは政令指定都市が児童相談所や保健所など都道府県事務の一部を担当しているため、その分の税収を市に回す設計。納税者の合計負担は10%で変わりません。
超過課税の都道府県・市町村マップ
標準税率を上回る超過課税を実施している自治体は、2026年時点で30以上あります。
| 自治体 | 超過課税名 | 負担増 |
|---|---|---|
| 神奈川県 | 水源環境保全税 | 所得割0.025%+均等割300円 |
| 横浜市 | みどり税 | 均等割900円 |
| 宮城県 | みやぎ環境税 | 均等割1,200円 |
| 兵庫県 | 県民緑税 | 均等割800円 |
| 岩手県 | いわての森林づくり県民税 | 均等割1,000円 |
| 鹿児島県 | 森林環境税 | 均等割500円 |
| 和歌山県 | 紀の国森づくり税 | 均等割500円 |
退職金・株・配当の税率特例
- 退職所得:退職所得控除後の1/2に10%。勤続20年超なら控除額は800万円+(勤続年数−20年)×70万円
- 上場株式譲渡益:申告分離で5%(所得税15%と合わせて20%)
- 配当所得:申告分離5%または総合課税で10%
- FX・仮想通貨:雑所得として総合課税10%
退職金は税制優遇が厚く、20年勤務で1,000万円の退職金なら住民税は6万円程度と軽微です。
先進国の地方税との比較
| 国 | 地方所得税率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本 | 10%一律 | 均等割あり |
| ドイツ | 6〜9% | 教会税別途 |
| フランス | 地方所得税なし | 不動産税が中心 |
| イギリス | 地方所得税なし | Council Tax定額 |
| アメリカ | 0〜13.3%(州による) | テキサス・フロリダは0% |
| 北欧諸国 | 18〜32% | 福祉型高税率 |
主要自治体の税率比較
住民税の用語集(このページで使った言葉)
- 所得割
- 前年の課税所得に10%(道府県4%+市町村6%)を掛けて計算する住民税の主要部分。年収に応じて変動する。
- 均等割
- 所得に関係なく住民全員が定額で負担する部分。標準は年5,000円(道府県1,500円+市町村3,500円+森林環境税1,000円)。
- 森林環境税
- 2024年度から徴収開始された国税。均等割と一緒に年1,000円が徴収され、森林整備の財源になる。
- 特別徴収/普通徴収
- 特別徴収は勤務先が給与天引きで自治体に納める方式(会社員)、普通徴収は納税者本人が納付書で納める方式(自営業など)。
- 調整控除
- 所得税と住民税で基礎控除・扶養控除などの金額差があるため、住民税が過大にならないよう調整する控除。年2,500円前後。
- 寄附金税額控除
- ふるさと納税などの寄附金を住民税から直接差し引く制度。6月の通知書で反映を確認できる。
- 定額減税
- 2024年から実施されている税額軽減策。住民税から1人1万円(本人+控除対象配偶者+扶養親族)が差し引かれる。
- 1月1日時点の住所地
- 住民税はこの時点での住民票所在地の自治体に1年分納める。年の途中で引っ越しても納付先は変わらない。
住民税で損しないための10項目チェックリスト
- 6月の通知書が届いたら「課税所得」「所得割額」「寄附金税額控除」の3項目を必ず確認
- ふるさと納税はワンストップ特例の提出期限(翌年1月10日)を守る
- 生命保険料・地震保険料・iDeCoの控除証明書は年末調整で必ず提出
- 医療費が世帯で10万円を超えたら確定申告で医療費控除を申告
- 副業がある人は住民税申告で「自分で納付」を選択
- 要介護の親・配偶者がいる場合は障害者控除対象者認定書を取得
- 退職・独立する人は翌年の住民税分を退職前に積み立てる
- 育休・休職で所得が激減したら減免申請を検討
- 納期に間に合わないなら延滞金発生前に徴収猶予を申請
- 過去5年分の申告漏れは更正の請求で還付される可能性あり
住民税をさらに深く理解するための関連記事
本サイトでは住民税をテーマ別に17本の記事で解説しています。以下の関連記事もあわせてお読みください。
よくある質問
Q. 住民税率10%は高い?
先進国の地方所得税としては中位。ドイツは6%前後、フランスは地方税なし(不動産税のみ)、アメリカの州所得税は0〜13%で州により大差。
Q. 退職金にも10%?
退職所得控除後の課税所得×1/2×10%。分離課税かつ1/2軽減で、通常より大幅に軽減されます。
Q. 株の配当・譲渡益の住民税率は?
申告分離課税で5%(所得税15%と合わせて20%)。申告不要制度を選べば源泉分離となります。
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