住民税非課税世帯の条件
所得・年収・扶養人数別の判定基準
住民税非課税世帯になる条件を所得基準・年収目安・扶養人数別に整理。
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目次(5セクション)
非課税世帯の3つの条件
住民税が非課税になる個人の条件は、大きく3つに分かれます。第一に、生活保護法による生活扶助を受けている方は住民税が非課税です。第二に、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親に該当する方で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入で約204万円以下)の場合も非課税となります。
第三に、上記に該当しない方でも、前年の合計所得金額が自治体の定める非課税限度額以下であれば住民税は非課税です。この限度額は級地区分(1級地〜3級地)と扶養親族の人数によって異なります。たとえば1級地で扶養なしの場合は所得45万円以下、扶養1人の場合は所得101万円以下が基準です。一人暮らしの方は一人暮らしの住民税非課税で詳しく解説しています。
「住民税非課税世帯」とは、これらの条件により世帯全員が住民税非課税である世帯を指します。たとえば夫が非課税でも、妻にパート収入があり住民税が課税されている場合は、世帯としては非課税世帯に該当しません。給付金などの対象になるかどうかは世帯単位で判定されるため、世帯全員の所得を確認する必要があります。
非課税かどうかの確認方法として最も確実なのは、毎年6月頃に届く「住民税決定(変更)通知書」を確認することです。給与所得者は勤務先経由で届き、それ以外の方は市区町村から直接届きます。通知書を紛失した場合は、市区町村の窓口で「課税・非課税証明書」を発行してもらうことで確認できます。発行手数料は1通200〜400円程度です。
| 条件の区分 | 対象者 | 所得要件 | 給与年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 条件1 | 生活保護受給者 | 所得に関係なく非課税 | ― |
| 条件2 | 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親 | 135万円以下 | 約204万円以下 |
| 条件3(単身) | 上記以外・扶養なし | 45万円以下(1級地) | 100万円以下 |
| 条件3(扶養1人) | 上記以外・扶養1人 | 101万円以下(1級地) | 約156万円以下 |
| 条件3(扶養2人) | 上記以外・扶養2人 | 136万円以下(1級地) | 約205万円以下 |
| 条件3(扶養3人) | 上記以外・扶養3人 | 171万円以下(1級地) | 約255万円以下 |
級地区分と基準額の違い
住民税の非課税限度額は、住んでいる自治体の「級地区分」によって異なります。級地区分は生活保護基準に準じて1級地・2級地・3級地の3段階に分かれており、生活コストの高い都市ほど上位の級地に区分されます。東京23区や政令指定都市の多くは1級地、中規模都市は2級地、町村部は3級地に該当するのが一般的です。
扶養親族がいる場合の均等割非課税限度額の計算式は、級地ごとに異なります。1級地は「45万円×(本人+扶養親族数)+31万円」、2級地は「41.5万円×(本人+扶養親族数)+28.9万円」、3級地は「38万円×(本人+扶養親族数)+26.8万円」です。扶養親族がいない単身の場合は加算の31万円(2級地は28.9万円、3級地は26.8万円)は不要で、それぞれ45万円・41.5万円・38万円が限度額となります。
自分の住む自治体がどの級地に区分されるかは、自治体の公式サイトや総務省の資料で確認できます。引越しによって級地が変わると非課税の基準額も変わるため、特に非課税ライン付近の所得の方は、居住地の級地を把握しておくことが重要です。具体的な級地別の年収目安は非課税世帯の年収目安でまとめています。
たとえば、夫婦+子1人の世帯を考えます。1級地なら非課税限度額は45万円×3人+31万円=166万円(年収約205万円)ですが、3級地では38万円×3人+26.8万円=140.8万円(年収約188万円)となり、約17万円もの差があります。転居を検討している方は、引越し先の級地を事前に調べておくと安心です。
扶養人数別の判定表
1級地の自治体における、扶養親族数ごとの均等割非課税限度額(合計所得金額)と、給与収入に換算した目安は次のとおりです。扶養なし(単身)は所得45万円(年収100万円)、扶養1人は所得101万円(年収約156万円)、扶養2人は所得136万円(年収約205万円)、扶養3人は所得171万円(年収約255万円)となります。
| 扶養親族数 | 非課税限度額(1級地) | 給与年収の目安 | 非課税限度額(3級地) | 給与年収の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 0人(単身) | 45万円 | 100万円 | 38万円 | 約93万円 |
| 1人 | 101万円 | 約156万円 | 84.8万円 | 約137万円 |
| 2人 | 136万円 | 約205万円 | 114.8万円 | 約172万円 |
| 3人 | 171万円 | 約255万円 | 140.8万円 | 約200万円 |
| 4人 | 206万円 | 約305万円 | 178.8万円 | 約240万円 |
ここでいう「扶養親族」には、配偶者(控除対象配偶者)や16歳未満の年少扶養親族も含まれます。所得税では16歳未満の子は扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定では人数にカウントされる点が大きな違いです。子どもが多い世帯ほど非課税になる年収ラインが上がるため、子育て世帯には有利な仕組みといえます。
なお、判定に使う所得は「合計所得金額」であり、給与所得控除や公的年金等控除を差し引いた後の金額です。給与収入だけでなく、年金収入や不動産所得がある場合はすべて合算されます。複数の収入源がある方は、それぞれの所得を正確に把握して判定する必要があります。住民税の計算の仕組みについては住民税の計算方法で詳しく解説しています。
65歳以上の年金受給者の場合、公的年金等控除が110万円(年金収入330万円以下の場合)適用されるため、年金収入155万円以下(合計所得45万円以下)で単身の非課税条件を満たします。給与と年金の両方を受け取っている場合は、それぞれの控除を適用した後の所得を合算して判定します。
よくある勘違い
最もよくある勘違いは、「年収103万円以下なら住民税も非課税」という誤解です。103万円は所得税の非課税ライン(給与所得控除55万円+基礎控除48万円)であり、住民税の非課税ラインとは異なります。住民税の均等割は1級地・単身で年収100万円超から課税されるため、年収101万〜103万円の方は「所得税はゼロだが住民税はかかる」状態になります。詳しくは住民税がかからない年収をご覧ください。
もう一つの多い勘違いは、「住民税が天引きされていない=非課税世帯」という思い込みです。住民税の特別徴収(給与天引き)は勤務先経由で行われますが、パートやアルバイトでは普通徴収(自分で納付)の場合もあります。非課税世帯かどうかは、市区町村から届く「住民税決定通知書」や「非課税証明書」で確認するのが確実です。
また、「世帯分離すれば非課税世帯になれる」と考える方もいますが、世帯分離は住民票上の手続きであり、実態を伴わない形式的な分離は認められない場合があります。給付金の受給目的での安易な世帯分離は、不正受給とみなされるリスクがあるため注意が必要です。
さらに、「退職して無収入になればすぐ非課税」という誤解もよくあります。住民税は前年(1月〜12月)の所得をもとに翌年6月から課税されるため、今年退職して収入がゼロになっても、前年に課税される水準の収入があれば住民税は課税されます。翌年の6月以降に非課税の判定が反映されるまで、最大で1年半ほどのタイムラグがある点を理解しておきましょう。
もう一点、均等割だけ課税される「均等割のみ課税世帯」と完全な非課税世帯は異なります。均等割のみ課税世帯は住民税が年額5,000円程度かかるだけですが、非課税世帯向けの一部の給付金や優遇制度の対象外となる場合があります。2024年度以降は均等割のみ課税世帯にも給付金が拡大されていますが、制度によって対象範囲が異なるため注意が必要です。
💬 相談事例から
📋 60代前半のAさん(退職後アルバイト)
退職後にアルバイト収入だけになったAさん。FPが合計所得金額を試算したところ、医療費控除と社会保険料控除を正しく申告すれば非課税世帯に該当する可能性が判明。住民税ゼロに加え、国民健康保険料の軽減や高額療養費の優遇も受けられる見込みとなりました。
📋 60代後半・夫婦のBさん
年金受給開始のタイミングで住民税が非課税になるかどうかを相談したBさん夫婦。FPが退職金の受取方法(一時金 vs 年金)で合計所得金額がどう変わるかをシミュレーションし、非課税世帯に該当するための最適な受給プランを提案しました。
FPに相談すべきケース
非課税世帯の判定は扶養人数・級地区分・所得の種類で複雑に変わります。自己判断で申請を諦めるケースが多いですが、FPに家計を整理してもらうと、非課税に該当する控除の組み合わせが見つかることがあります。特に年金収入と給与収入が混在する世帯や、副業所得がある場合は、計算が複雑になりがちです。
非課税世帯に該当すると、各種給付金、高額療養費の限度額引下げ、国民健康保険料の7割軽減など、年間で数十万円規模のメリットがあります。逆に、年収がわずかに非課税ラインを超えてしまうと、これらの優遇がすべて失われる可能性があります。ボーダーライン付近の方こそ、FPに年収の調整方法や控除の活用について相談し、最も有利な選択肢を見つけることが重要です。
給付金の確認から、我慢していた支出を選び直す家計へ
ここで確認したいのは、受け取れるお金だけではありません。いま我慢している「休む・任せる・移動する・学ぶ」支出を、いつなら選べるかまで数字で見ることです。
たとえば最初に見るのは「安心して休める時間」。日帰りホテルの個室、寝具、食洗機やミールキットのように、物価高で後回しにしがちな支出を家計の中で選べるかを確認します。
お金の不安が強いと、働き方も、家族との時間も、自分のやりたいことも、どうしても後回しになりがちです。
FPに家計を相談する目的は、ただ節約することではありません。
給付金を確認し、毎月のお金の流れを整えることで、我慢していた支出を「いつ・いくらまでなら選べるか」まで整理し、休む、任せる、移動する、学ぶ、親や家族との時間を作る、といった選択肢が見えやすくなります。
なぜFP相談で変わるのか。使える給付金、毎月の固定費、教育費、住宅費、老後資金を同じ表に並べると、「削るべき支出」と「取り戻したい暮らしに使ってよい支出」の境目が見えやすくなるからです。
たとえば、こんな選択肢を数字で確認できます。
安心して休める時間
誰にも要求されない時間、眠れる環境、責任を一時停止できる仕組みにお金を使えるか。
家事・育児・段取りからの解放
名もなき家事、献立、送迎、連絡、調整を一人で抱えない形にできるか。
家計と将来不安の軽減
物価高、教育費、住宅ローン、老後資金の不安を見える化できるか。
子どもの選択肢を広げる教育・体験
英語、体験、旅行、習い事など、世界を見せる予算を作れるか。
家族の再起動としての旅行・非日常
連泊、温泉、自然の中で家族会話を回復する余白を作れるか。
健康回復・睡眠・老化対策
疲れが抜ける、痛くない、眠れる、朝動ける状態に投資できるか。
夫婦の関係回復
運営組織ではなく、伴侶として話せる時間を取り戻せるか。
親の介護・親との時間への備え
介護、見守り、帰省、親孝行、自分の老後準備に備えられるか。
自分の物理的逃げ場
書斎、椅子、ベランダ、サウナ、カフェのような避難場所を持てるか。
疲れない移動
駅近、送迎、グリーン車、ミニバン、近場高級宿を選べるか。
人生がまだ動く感覚
学び直し、副業、趣味、旅、挑戦にもう一度向かえるか。
お金の不安だけで、働き方や暮らし方を決めなくてよくなる。FPと一緒に、我慢の家計から選べる家計へ戻すための確認です。
FPと30分で、我慢していた支出を選べる家計に整理する(無料・Zoom) →
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026-05-14
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
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