税金・節税

新卒・社会人1年目の住民税はいつから?翌年6月スタートの理由

新卒で入社した社会人1年目は住民税がかからない理由(前年所得ゼロ)と、2年目の6月から始まる仕組みを解説。

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目次(6セクション)
  1. 1年目は住民税ゼロの理由
  2. 社会人1〜3年目の住民税推移
  3. 2年目6月から始まる仕組み
  4. 手取りが減るタイミング
  5. 備えておくべき金額と節税
  6. FPに相談すべきケース

1年目は住民税ゼロの理由

住民税は「前年1月から12月の所得」に対して翌年6月から課税されます。大学卒業後に4月から就職した場合、前年(大学4年生の1月〜12月)はアルバイト程度の収入しかないケースがほとんどです。年間のアルバイト収入が100万円以下であれば住民税は非課税となるため、社会人1年目は住民税がゼロになります。

1年目の給与明細を見ると、所得税は毎月天引きされているのに住民税の欄がゼロになっていることに気づくかもしれません。所得税はその月の給与から概算で天引きされる「源泉徴収」方式ですが、住民税は前年の所得が確定してから翌年6月に課税が始まる「後払い」方式です。この仕組みの違いが、1年目に住民税がかからない理由です。住民税の課税タイミングについては住民税はいつから払う?でも詳しく解説しています。

ただし例外もあります。学生時代にアルバイトで年収100万円を超えていた場合は、社会人1年目でも住民税がかかります。たとえば大学4年生の年間アルバイト収入が120万円だった場合、給与所得控除55万円を差し引いた所得は65万円。基礎控除45万円を超えるため、所得割10%=約2万円+均等割5,000円で約2.5万円の住民税が発生します。

社会人1〜3年目の住民税推移

新卒で入社してから3年間で住民税がどう変化するかを、年収300万円(月額25万円)で4月入社のケースで整理します。

年次前年の給与収入課税所得(概算)住民税(年額概算)月額天引き(概算)手取りへの影響
1年目(入社年)学生時代:0〜100万円0円0円0円住民税なし
2年目約225万円(9か月分)約88万円約9.3万円約7,800円6月から手取り減
3年目約300万円(12か月分)約127万円約13.2万円約1.1万円2年目より月3,000円増

※上記は単身者・社会保険料控除のみ適用の概算です。各種控除で税額は変わります。

この表のポイントは2つあります。まず、1年目は住民税ゼロなので手取りが相対的に多く感じますが、2年目6月から月約8,000円の天引きが始まるため、年間約9.3万円の出費が増えます。次に、3年目からは12か月分の給与に対して課税されるため、住民税が2年目より約4万円増えます。昇給があれば差はさらに大きくなります。

2年目6月から始まる仕組み

社会人2年目の6月から、1年目(前年4月〜12月)の給与所得に対する住民税の天引きが始まります。会社は5月頃に市区町村から届く「特別徴収税額決定通知書」をもとに、6月の給与から住民税の天引きを開始します。住民税は6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から差し引かれます。

1年目は4月入社のため課税対象の所得は4月〜12月の9か月分です。フル12か月分の給与ではないため、2年目の住民税は3年目以降と比べるとやや少なめになります。とはいえ、それまでゼロだった住民税が突然天引きされるため、手取り額の減少に驚く新社会人は多いです。

なお、2年目の6月に届く「特別徴収税額決定通知書」には、住民税の年額と月々の天引き額が記載されています。内容を確認して、年末調整で申告した扶養控除や保険料控除が正しく反映されているかチェックしましょう。住民税の計算方法を詳しく知りたい方は住民税はいくら?年収別の計算方法をご覧ください。

手取りが減るタイミング

2年目の6月は住民税の天引きが始まるだけでなく、住民税の年額を12で割った端数が6月にまとめて調整されるため、6月だけ天引き額がやや多くなることがあります。たとえば住民税の年額が13万円の場合、7月〜翌5月は毎月1万円の天引きですが、6月は端数の2万円が天引きされます。

さらに、4月には社会保険料の改定(定時決定の反映は9月ですが、昇給があれば随時改定で前倒しになることも)、6月には住民税の天引き開始と、春から夏にかけて手取りが段階的に減りやすい時期です。1年目の感覚のまま生活費を組んでいると、2年目の6月以降に家計が苦しくなりやすいため、早めに支出を見直しておくことをおすすめします。

具体的な手取りの変化を見てみましょう。月給25万円の場合、1年目の手取りは約20.5万円(所得税・社会保険料のみ控除)ですが、2年目6月からは住民税の天引き(月約8,000円〜1万円)が加わり、手取りは約19.5万円〜19.7万円に下がります。月額で約8,000円〜1万円の減少ですが、年間では約10万円の差になるため見過ごせません。

備えておくべき金額と節税

住民税の税率は所得割10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)と均等割(年額約5,000円)です。新卒1年目の課税所得をもとに概算すると、年収300万円の場合は住民税が年間約12万円(月約1万円)、年収350万円なら年間約15万円(月約1.2万円)程度が目安になります。

2年目6月からの手取り減に備えるには、1年目のうちから毎月1万〜1.5万円を住民税分として貯蓄に回しておくと、2年目に急に家計が圧迫される事態を防げます。また、ふるさと納税やiDeCoといった制度を活用すれば住民税の負担を抑えることも可能です。ただし、1年目は前年所得がないためふるさと納税の控除上限額が非常に小さい点に注意してください。本格的に節税対策を始められるのは2年目以降です。

2年目以降に活用できる節税制度としては、ふるさと納税(自己負担2,000円で返礼品を受け取れる)、iDeCo(掛金が全額所得控除、ただし60歳まで引き出せない)、NISA(運用益が非課税)があります。年収300万円の場合、ふるさと納税の控除上限額は約2.8万円程度です。住民税に直接影響するのはふるさと納税とiDeCoで、NISAは住民税には直接関係しませんが資産形成として有効です。引っ越しを伴う転勤がある場合は引っ越し後の住民税も確認しておきましょう。

💬 相談事例から

📋 60代前半のAさん

定年退職後、アルバイトと年金で暮らすAさん。退職翌年の住民税が前年の高い給与所得をもとに計算されることを知らず、請求額に驚きました。FPは退職後の家計設計と将来資金の優先順位整理を担当(退職所得控除の適用判定・税額計算は税理士の独占業務)を行い、納付計画を整理しました。

事例#0050を読む →

📋 独立起業したばかりのBさん(法人設立済み)

会社員から独立したBさん。個人事業と法人の所得の線引きや、住民税の普通徴収への切り替え手続きがわからず相談。FPが収入見込みに合わせた住民税・社会保険料のシミュレーションを行い、経費計上と控除の組み合わせで節税計画を作成しました。

事例#0037を読む →

📋 30代会社員のCさん(副業あり)

副業収入のある会社員Cさん。副業分の住民税を普通徴収にする方法がわからず、会社に知られるのを心配していました。FPは家計全体の優先順位整理を担当(確定申告書の記入方法・青色申告の手続きは税理士または国税庁の確定申告書等作成コーナーで)しました。

事例#0003を読む →

FPに相談すべきケース

社会人1〜3年目は「住民税の天引き開始」「社会保険料の改定」「家賃・一人暮らしの固定費」が重なり、手取りの変動が大きい時期です。奨学金の返済を抱えている場合や、転職を考えている場合は、住民税の後払い分も含めた資金計画を立てておくことが重要です。とくに1年目で退職すると、2年目に届く住民税の納付書を無職の状態で受け取ることになります(無職の住民税参照)。転職・退職と住民税の関係は退職後の住民税でも解説しています。FPに相談すれば、住民税・社会保険料・奨学金返済を含めた家計全体のキャッシュフローを整理し、無理のない資産形成プランを組むことができます。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

新卒1年目は住民税がかからないって本当?
基本的に本当です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、大学卒業後に4月入社した場合、前年(学生時代)の所得がほぼゼロであれば住民税はかかりません。ただし学生時代のアルバイト収入が年100万円を超えていた場合は住民税が発生する可能性があります。
社会人2年目の6月に手取りが減るのはなぜ?
2年目の6月から、1年目の給与所得に対する住民税の天引きが始まるためです。住民税は前年の所得に基づいて翌年6月から12回に分けて給与から天引きされます。年収300万円の場合は月約1万円、年収350万円なら月約1.2万円の天引きが始まり、その分手取りが減ります。
新卒でもふるさと納税はできる?
制度上は可能ですが、1年目は前年所得がないためふるさと納税の控除上限額が非常に小さい(またはゼロ)です。本格的にふるさと納税の恩恵を受けられるのは2年目以降です。2年目であれば1年目の所得をもとに控除上限額を計算し、上限内で寄付すれば住民税の負担を実質的に減らせます。
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最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。