税金・節税

年金受給者の住民税
年金から天引きされる仕組みと非課税の条件

年金受給者の住民税の仕組み(年金特別徴収)、非課税になる年金額の目安、各種控除を解説。

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  1. 期限

    記事の対象年分と、自分に関係する申告・納付・届出の期限を確認します。

  2. 手続き

    制度の所管、提出先、必要書類を公式情報で確認します。

  3. 家計判断

    一般的な説明と個別の適用判定を分け、個別判断は税務署・自治体・税理士へ確認します。

この記事からの次の行動は、上の公式情報の確認です。 このページでは相談予約を前提にしません。

目次(6セクション)
  1. 年金から天引きされる仕組み
  2. 非課税になる年金額の目安
  3. 年金額別の住民税・非課税ライン表
  4. 公的年金等控除
  5. 配偶者が年金受給者の場合
  6. FPに相談すべきケース

年金から天引きされる仕組み

65歳以上で公的年金を受給しており、年金額が年18万円以上の方は、住民税が年金から天引き(特別徴収)されます。天引きは偶数月(4月・6月・8月・10月・12月・2月)の年金支給時に行われ、自分で納付書を使って納める手間がかかりません。初年度は4月・6月・8月に前年度の税額をもとにした仮徴収が行われ、10月以降に確定した税額で本徴収に切り替わります。

65歳未満の方は年金からの天引き対象外のため、普通徴収(納付書または口座振替)で納めます。また、65歳以上でも年金額が年18万円未満の場合は天引きの対象外です。なお、年金以外にも給与所得がある場合は、給与分の住民税は勤務先の給与から天引きされ、年金分の住民税は年金から天引きされるという形で、それぞれ別々に徴収されます。

年金の天引き額は「特別徴収税額決定通知書」で確認できます。毎年6月頃に市区町村から届くこの通知書には、年金から天引きされる住民税の年額と各月の金額が記載されています。通知書が届いたら内容を確認し、扶養控除や医療費控除の申告漏れがないか確認してください。住民税の計算方法の詳細は住民税はいくら?年収別の計算方法をご覧ください。

非課税になる年金額の目安

住民税が非課税になるかどうかは、年金収入から公的年金等控除を差し引いた「雑所得」がベースになります。65歳以上の単身者の場合、公的年金等控除110万円と非課税の基準となる所得45万円(1級地)を合わせた155万円以下の年金収入であれば、住民税は非課税です。65歳未満の場合は公的年金等控除が60万円のため、年金収入105万円以下が非課税の目安になります。

配偶者を扶養している場合は非課税の上限が引き上がり、65歳以上の夫婦世帯(配偶者の年金収入が155万円以下)では、1級地なら年金収入が約211万円以下(合計所得101万円以下)であれば住民税非課税世帯に該当します。住民税非課税世帯になると、国民健康保険料の軽減、高額療養費の自己負担上限の引き下げ、介護保険料の軽減など多くの社会保障制度で優遇を受けられるため、自分の世帯が該当するか確認しておく意義は大きいです。非課税の条件について詳しくは住民税非課税の条件をご覧ください。

年金額別の住民税・非課税ライン表

65歳以上の年金受給者について、年金収入ごとの住民税の課税・非課税と概算税額をまとめました。社会保険料控除(国民健康保険料・介護保険料)を年15万円と仮定した概算値です。

年金収入(年額)公的年金等控除雑所得課税/非課税住民税(概算)
120万円110万円10万円非課税0円
155万円110万円45万円非課税(単身・1級地)0円
180万円110万円70万円課税約1.5万円
200万円110万円90万円課税約3.5万円
250万円110万円140万円課税約8.5万円
300万円110万円190万円課税約13.5万円
350万円115万円235万円課税約18.0万円

※上記は2026年度分(2025年の年金収入)・65歳以上・単身者・社会保険料控除15万円・1級地の概算です。住民税=(雑所得−社会保険料15万円−基礎控除43万円)×10%−調整控除2,500円+均等割等5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)。公的年金等控除は65歳以上で330万円未満110万円、330万円以上410万円未満は収入×25%+27.5万円。配偶者控除・医療費控除等を適用すると税額は下がります。夫婦世帯(配偶者が同一生計配偶者)の場合、1級地では年金収入約211万円以下で非課税世帯に該当する可能性があります。出典: 横浜市『税の知識 令和8年度ウェブ版』(公的年金等控除・非課税基準・計算例)、総務省「個人住民税」、2026年10月確認

年金収入が200万円の方は、年間約3.5万円の住民税が年金から天引きされます。偶数月6回で按分すると1回あたり約5,800円です。この金額は扶養控除や医療費控除の申告で減らせる可能性があるため、控除の適用漏れがないか毎年確認することが重要です。

公的年金等控除

公的年金等控除は、年金収入から一定額を差し引いて課税対象となる所得を計算するための控除です。65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円が控除されます。年金収入が増えるほど控除額も段階的に増えますが、控除率は逓減するため、高額の年金ほど課税される所得の割合が高くなります。

たとえば65歳以上で年金収入が200万円の場合、公的年金等控除は110万円となり、雑所得は90万円です。ここから基礎控除43万円や社会保険料控除などを差し引いた金額が課税所得となります。なお、年金以外に給与所得や事業所得がある場合で、合計所得金額が1,000万円を超えると公的年金等控除額が10万円引き下げられる仕組みがあるため、他の収入がある方は注意してください。

年金収入が330万円を超えると控除率が段階的に下がり、年金収入が高い方ほど課税される割合が高くなります。退職金を一括で受け取らず年金形式(企業年金・確定拠出年金の年金受取)で受け取る場合は公的年金等控除の対象になりますが、公的年金と合算されるため控除枠を使い切ってしまうことがあります。受取方法の選択については退職金と住民税も参考にしてください。

配偶者が年金受給者の場合

配偶者も年金を受給している場合、それぞれの年金収入に対して個別に住民税が計算されます。配偶者の年金収入が155万円以下(65歳以上の場合)であれば配偶者自身の住民税は非課税です。さらに、本人の住民税の計算で配偶者控除(合計所得58万円以下の配偶者・2026年度分)や配偶者特別控除を適用できるかどうかは、配偶者の年金収入から公的年金等控除を差し引いた所得額で判定します。

65歳以上の配偶者で年金収入が168万円以下であれば合計所得が58万円以下になるため、配偶者控除の対象になります。配偶者控除が適用されると本人の住民税が軽減されるため、夫婦合計での税負担が下がります。なお、年金の天引きはそれぞれの年金から個別に行われるため、夫の年金から妻の住民税が天引きされるといったことはありません。

住民税が払えない状況になった場合の対処法については住民税が払えないときの対処法をご確認ください。年金受給者でも減免・猶予の制度が利用できる場合があります。

💬 相談事例から

📋 60代前半のAさん

定年退職後、アルバイトと年金で暮らすAさん。退職翌年の住民税が前年の高い給与所得をもとに計算されることを知らず、請求額に驚きました。FPは退職後の家計設計と将来資金の優先順位整理を担当(退職所得控除の適用判定・税額計算は税理士の独占業務)を行い、納付計画を整理しました。

事例#0050を読む →

📋 独立起業したばかりのBさん(法人設立済み)

会社員から独立したBさん。個人事業と法人の所得の線引きや、住民税の普通徴収への切り替え手続きがわからず相談。FPが収入見込みに合わせた住民税・社会保険料のシミュレーションを行い、経費計上と控除の組み合わせで節税計画を作成しました。

事例#0037を読む →

📋 30代会社員のCさん(副業あり)

副業収入のある会社員Cさん。副業分の住民税を普通徴収にする方法がわからず、会社に知られるのを心配していました。FPは家計全体の優先順位整理を担当(確定申告書の記入方法・青色申告の手続きは税理士または国税庁の確定申告書等作成コーナーで)しました。

事例#0003を読む →

FPに相談すべきケース

年金受給者の住民税は控除の活用で大きく変わります。とくに医療費控除(年間10万円超の医療費がある場合)、社会保険料控除(介護保険料・国保の計上漏れ)、配偶者控除の適用判定など、申告しないと適用されない控除が多く、毎年の確定申告で住民税を数万円単位で減らせるケースがあります。また、住民税非課税世帯のボーダーライン上にいる方は、控除を適切に申告することで非課税世帯に該当し、医療費の自己負担上限が大幅に下がるなど波及効果が大きいため、FPに家計全体を見てもらう価値があります。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

年金受給者でも住民税はかかる?
年金収入が一定額を超えると住民税がかかります。65歳以上の単身者の場合、公的年金収入が年155万円以下であれば住民税は非課税です(1級地。2級地は151.5万円、3級地は148万円)。これを超えると住民税(均等割・所得割)がかかり、年金から天引き(特別徴収)されます。
年金から住民税が天引きされる仕組みは?
65歳以上で年金額が年18万円以上の方は、住民税が年金から天引き(特別徴収)されます。偶数月(4月・6月・8月・10月・12月・2月)の年金支給時に差し引かれるため、自分で納付する手間はかかりません。
年金受給者の住民税非課税世帯になるメリットは?
住民税非課税世帯に該当すると、国民健康保険料の軽減、高額療養費の自己負担上限の引き下げ(一般の約3分の1)、介護保険料の軽減、各種給付金の対象拡大など、多くの社会保障制度で優遇を受けられます。
65歳未満と65歳以上で年金の住民税はどう違う?
65歳以上は公的年金等控除が110万円(65歳未満は60万円)と大きく、非課税ラインが155万円(65歳未満は105万円)まで上がります。また65歳以上は年金からの天引き対象ですが、65歳未満は普通徴収(自分で納付)になります。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。