相続・贈与

相続関係説明図とは?
書き方・作り方・テンプレート付き解説【2026年版】

相続税と納税資金を家族で確認しもめない準備を進める場面
税額だけでなく、納税資金、家族の分け方、親の意思を早めに整理します。

相続関係説明図は、被相続人(亡くなった方)と相続人全員の関係を一覧にまとめた図です。法務局への相続登記申請時に添付すると、戸籍謄本の原本還付を受けられるため、複数の手続きで戸籍の束を何セットも取り直す必要がなくなります。

記事の答えを確認した次に

誰が相続人で、どう分ければ話がこじれない?

決めるタイミング: 戸籍と財産の全体像が見えた後、具体的な分け方を話し始める前。

相談で繰り返される本音

  • 法律上の割合と、家族が納得する分け方が違う
  • 連絡を取りにくい家族へどう話すか迷う
  • 不動産が多く、平等に分けられない

初回で口頭整理できること

初回は、家族関係、財産、これまでの話し合いを伺い、専門家へ確認する争点を口頭で整理します。

その次に分けること

必要に応じて弁護士・司法書士・税理士へ確認し、同じ財産一覧をもとに話し合います。

初回の範囲: 相続人・法定相続分の確定、法律判断、遺産分割協議書の作成、交渉代理は初回に行いません。

初回で家族と分け方の論点を聞く

初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます

相談前のFAQ

資料がそろっていなくても相談できますか?

はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。

初回で何を持ち帰れますか?

いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。

初回に商品や契約の話がありますか?

初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。

まずは60分で、相続に関する家計の見直しポイントを確認してみませんか。

目次(12セクション)
  1. 相続関係説明図の役割と法定相続情報一覧図との違い
  2. 相続関係説明図の書き方(記載項目)
  3. 作成手順(4ステップ)
  4. パターン別の書き方
  5. 注意点・よくある間違い
  6. 相続関係説明図のテンプレート・記載例
  7. 無料で使える作成ツール・ソフト
  8. 戸籍謄本の種類と取得費用一覧
  9. 相続関係説明図が必要になる手続き一覧
  10. 相続人の範囲と法定相続分の早見表
  11. 作成前チェックリスト
  12. よくある質問(FAQ)

相続関係説明図の役割と法定相続情報一覧図との違い

相続関係説明図とは

相続関係説明図とは、被相続人(亡くなった方)を中心に、法定相続人全員との続柄・住所・生年月日などを記した家系図のような書類です。主に法務局での相続登記申請に添付し、提出した戸籍謄本の原本を返してもらう(原本還付)ために使います。

相続登記は2024年4月1日から義務化されました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記しなければ、正当な理由がない限り10万円以下の過料が科される可能性があります。相続関係説明図の作成は、この登記手続きを進めるうえで欠かせない準備です。

法定相続情報一覧図との違い

似た書類に「法定相続情報一覧図」がありますが、役割と効力が異なります。

比較項目 相続関係説明図 法定相続情報一覧図
作成者相続人が自分で作成法務局が認証(登記官の認証文付き)
効力戸籍原本の還付を受けるための添付書類戸籍の束の代わりになる公的証明書
利用先法務局(相続登記)法務局・金融機関・税務署など幅広い
費用無料(自分で作成)無料(法務局への申出)
有効期限なし発行から5年間再交付可能
記載内容相続か遺産分割かの区分を記載可能法定相続分のみ(遺産分割の結果は記載不可)

Point

相続登記だけが目的なら相続関係説明図で十分です。銀行口座の解約・保険金の請求など複数の手続きを同時並行で進める場合は、法定相続情報一覧図を取得しておくと、戸籍の束を何セットも用意する手間が省けます。

相続関係説明図の書き方(記載項目)

相続関係説明図に法定の書式はありませんが、法務局のひな形に沿って作成するのが確実です。記載する項目は大きく4つに分かれます。

1. タイトル

用紙の上部に「被相続人〇〇〇〇 相続関係説明図」と記載します。

2. 被相続人の情報

  • 氏名
  • 最後の本籍
  • 最後の住所
  • 生年月日
  • 死亡年月日

3. 相続人の情報

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 続柄(配偶者・長男・長女・二男など)
  • 「相続」または「遺産分割」の区分(不動産を取得する人は「相続」、取得しない人は「遺産分割」と記載)

4. 関係線

被相続人と配偶者は二重線で、被相続人と子は単線で結びます。養子の場合は線の横に「養子」と付記します。

注意

相続放棄をした相続人がいる場合は、その人の氏名の横に「相続放棄」と明記します。ただし相続放棄は家庭裁判所への申述が必要で、単に「遺産はいらない」と口頭で伝えただけでは法的な放棄にはなりません。

作成手順(4ステップ)

相続関係説明図の作成は、次の4ステップで進めます。

ステップ1:戸籍謄本の収集

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)を取得します。本籍地の市区町村役場に請求しますが、転籍や婚姻で本籍が変わっている場合は複数の役場に請求が必要です。

あわせて、相続人全員の現在の戸籍謄本も取得します。

ステップ2:相続人の確定

収集した戸籍から、法定相続人を漏れなく確認します。被相続人に認知した子がいないか、養子縁組がないかなど、戸籍の記載を一つひとつ確認することが重要です。相続人の漏れがあると、後日遺産分割協議をやり直すことになります。

ステップ3:図面の作成

A4用紙(横書き推奨)に、被相続人を中心として相続人との関係を図示します。手書きでもパソコンでも構いません。法務局のウェブサイトにテンプレートが公開されているので、それをもとに作成するのが確実です。

ステップ4:法務局への提出

相続登記の申請書に相続関係説明図を添付して法務局に提出します。提出すると、添付した戸籍謄本の原本が還付されます。還付された戸籍は、金融機関での手続きなどに再利用できます。

Point

戸籍の収集が最も時間がかかる工程です。被相続人が転籍を繰り返している場合、取得に1〜2か月かかることも珍しくありません。早めに着手しましょう。

パターン別の書き方

パターン1:配偶者+子

最も一般的なケースです。被相続人と配偶者を二重線で結び、子を単線でつなぎます。不動産を取得する相続人には「相続」、取得しない相続人には「遺産分割」と記載します。

パターン2:兄弟姉妹が相続人

被相続人に配偶者も子も直系尊属(両親・祖父母)もいない場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。この場合は被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍も必要になり、戸籍収集の範囲が広がります。図面では被相続人の両親を上位に配置し、兄弟姉妹を並列で記載します。

パターン3:代襲相続あり

被相続人より先に子が亡くなっている場合、その子の子(被相続人の孫)が代襲相続人として相続権を引き継ぎます。図面では、先に亡くなった子を記載したうえで「(死亡)」と付記し、その下に代襲相続人を線で結んで「代襲相続人」と明記します。

注意

兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪(1代限り)までです。子の代襲相続は孫・ひ孫と何代でも続きますが、兄弟姉妹の場合は再代襲がありません。この違いは図面作成時にも影響するため注意が必要です。

注意点・よくある間違い

間違い1:相続人の漏れ

前妻との間の子、認知した子、養子など、戸籍を丹念に読まないと見落としやすい相続人がいます。相続人が1人でも漏れていると、法務局で申請が受理されません。出生から死亡までの連続戸籍を通しで確認することが不可欠です。

間違い2:「相続」と「遺産分割」の記載漏れ

不動産を取得する人と取得しない人の区分を記載しないと、法務局から補正を求められます。遺産分割協議書がある場合は、不動産を取得しない相続人に「遺産分割」と明記しましょう。

間違い3:住所の不一致

相続関係説明図に記載する住所は、住民票の住所と一致している必要があります。通称や略称で書くと、法務局で補正を求められる原因になります。

間違い4:相続放棄した人の扱い

相続放棄をした人は法律上「最初から相続人でなかった」ものとして扱われます。しかし相続関係説明図には記載したうえで「相続放棄」と付記するのが一般的です。家庭裁判所の相続放棄申述受理証明書のコピーも添付しましょう。

間違い5:法定相続情報一覧図と混同する

相続関係説明図は自分で作成する書類で、法定相続情報一覧図は法務局が認証する公的証明書です。相続登記に添付するのは相続関係説明図で、法定相続情報一覧図の「申出」とは別の手続きです。混同して書類を取り違えると手続きが二度手間になります。

相続関係説明図のテンプレート・記載例

法定の書式はありませんが、法務局が公開しているひな形に準じた構成で作成するのが確実です。ここでは、実務でよく使われる2つのパターンの記載例を示します。

記載例1:法定相続(遺産分割協議なし)

相続人全員が法定相続分どおりに不動産を取得する場合の記載例です。全員に「相続」と記載します。

被相続人 山田太郎 相続関係説明図

┌─────────────────────────────────┐
│【被相続人】                      │
│  氏 名:山田 太郎               │
│  生年月日:昭和20年1月1日         │
│  死亡日:令和8年3月15日           │
│  最後の本籍:東京都新宿区○○町1-2 │
│  最後の住所:東京都新宿区△△3-4-5 │
└────────────┬────────────────────┘
             │
    ┌────────┼────────┐
    │                  │
╔═══╧════════╗  ┌─────┴──────────┐
║【配偶者】    ║  │【長男】          │
║ 山田 花子   ║  │ 山田 一郎        │
║ S25.5.1生   ║  │ S50.3.10生       │
║ 住所:東京都║  │ 住所:神奈川県   │
║  新宿区△△  ║  │  横浜市○○       │
║ (相続)   ║  │ (相続)        │
╚═════════════╝  └────────┬─────────┘
                          │
                   ┌──────┴───────┐
                   │【長女】       │
                   │ 山田 美咲     │
                   │ S53.7.20生    │
                   │ 住所:千葉県  │
                   │  船橋市○○    │
                   │ (相続)     │
                   └──────────────┘

記載例2:遺産分割協議あり

遺産分割協議の結果、特定の相続人が不動産を取得する場合の記載例です。不動産を取得する人には「相続」、取得しない人には「遺産分割」と記載します。

被相続人 山田太郎 相続関係説明図

┌─────────────────────────────────┐
│【被相続人】                      │
│  氏 名:山田 太郎               │
│  生年月日:昭和20年1月1日         │
│  死亡日:令和8年3月15日           │
│  最後の本籍:東京都新宿区○○町1-2 │
│  最後の住所:東京都新宿区△△3-4-5 │
└────────────┬────────────────────┘
             │
    ┌────────┼────────┐
    │                  │
╔═══╧════════╗  ┌─────┴──────────┐
║【配偶者】    ║  │【長男】          │
║ 山田 花子   ║  │ 山田 一郎        │
║ S25.5.1生   ║  │ S50.3.10生       │
║ 住所:東京都║  │ 住所:神奈川県   │
║  新宿区△△  ║  │  横浜市○○       │
║ (相続)    ║  │ (遺産分割)     │
╚═════════════╝  └────────┬─────────┘
                          │
                   ┌──────┴───────┐
                   │【長女】       │
                   │ 山田 美咲     │
                   │ S53.7.20生    │
                   │ 住所:千葉県  │
                   │  船橋市○○    │
                   │ (遺産分割)  │
                   └──────────────┘

Point

「相続」と「遺産分割」の違いは、その不動産を取得するかどうかで決まります。遺産分割協議書で配偶者が自宅を単独取得すると決めた場合、配偶者は「相続」、他の相続人は「遺産分割」と記載します。記載を間違えると法務局で補正を求められるため注意しましょう。

法務局が公開している記載例は、以下のページで確認できます。

無料で使える作成ツール・ソフト

相続関係説明図は手書きでも受理されますが、パソコンで作成すると修正や再利用がしやすくなります。無料で使える主な方法を整理します。

法務局の記載例(Word形式)

法務局のウェブサイトで、相続登記の申請書様式とあわせて相続関係説明図のひな形(Word形式)が公開されています。Wordが使える環境であれば、ダウンロードして直接編集するのが最も確実な方法です。公式のひな形に沿っているため、記載漏れや書式の不備を防げます。

Excelテンプレート

インターネット上には、Excel形式の相続関係説明図テンプレートが無料で配布されています。セルに被相続人・相続人の情報を入力すると、自動的に図の体裁が整う仕組みのものが多く、罫線の調整が不要で手軽です。ダウンロード時は配布元の信頼性を確認しましょう。

相続関係説明図 作成ソフト・Webサービス

ブラウザ上で被相続人・相続人の情報を入力すると相続関係説明図を自動生成してくれるWebサービスもあります。家系図ソフトを応用して作成する方法もあり、相続人が多い場合や代襲相続がある複雑なケースでは、手動で図を描くより効率的です。

注意

ツールで自動生成した図面も、最終的には戸籍謄本の記載と照合して正確性を確認する必要があります。ツールはあくまで作図の手間を省くものであり、相続人の確定は戸籍に基づいて自分で判断する工程です。

自分で作成する場合と司法書士に依頼する場合の比較

比較項目 自分で作成 司法書士に依頼
費用実費のみ(戸籍取得手数料 1通450〜750円)5万〜15万円程度(登記申請込みの場合)
所要期間戸籍収集に1〜2か月 + 作成に数日依頼後2〜4週間が目安
正確性戸籍の読み解きに不慣れだと相続人の漏れリスクあり専門家が戸籍を精査するため漏れにくい
適するケース相続人が配偶者+子のみなどシンプルな構成代襲相続・兄弟相続・相続人多数など複雑な構成

Point

相続人が少なくシンプルな構成であれば自分で作成しても問題ありません。一方、被相続人の転籍が多い、前妻との間に子がいる可能性がある、兄弟姉妹が相続人になるなど戸籍の読み解きが複雑なケースでは、司法書士への依頼を検討しましょう。相続登記の申請手続きまで一括で任せられるため、全体の手戻りを減らせます。

戸籍謄本の種類と取得費用一覧

相続関係説明図を作成するには、被相続人の出生から死亡までの連続戸籍と、相続人全員の現在戸籍が必要です。戸籍にはいくつかの種類があり、それぞれ取得手数料が異なります。

戸籍の種類 内容 手数料(1通) 請求先
戸籍謄本(全部事項証明書)現在有効な戸籍の写し450円本籍地の市区町村
除籍謄本全員が除籍された戸籍の写し750円本籍地の市区町村
改製原戸籍(かいせいはらこせき)法改正前の様式で作成された戸籍750円本籍地の市区町村
戸籍の附票住所の移動履歴を記載した書類300円本籍地の市区町村
住民票の除票死亡等で消除された住民票300円最後の住所地の市区町村

取得費用のシミュレーション

被相続人の転籍回数や相続人の人数によって、戸籍収集の合計費用は変動します。以下は典型的なケースの目安です。

ケース 被相続人の戸籍 相続人の戸籍 その他 合計目安
シンプル(転籍1回・相続人3人) 戸籍謄本1通+除籍2通+改製原戸籍1通 = 2,700円 戸籍謄本3通 = 1,350円 住民票の除票1通 = 300円 約4,350円
標準(転籍3回・相続人4人) 戸籍謄本1通+除籍4通+改製原戸籍2通 = 4,950円 戸籍謄本4通 = 1,800円 住民票の除票1通+附票1通 = 600円 約7,350円
複雑(転籍5回・兄弟相続・相続人6人) 戸籍謄本1通+除籍6通+改製原戸籍3通+両親の戸籍4通 = 10,200円 戸籍謄本6通 = 2,700円 住民票の除票1通+附票2通 = 900円 約13,800円

Point

2024年3月1日から広域交付制度が開始され、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍謄本・除籍謄本を請求できるようになりました。ただし、改製原戸籍やコンピュータ化前の古い戸籍は広域交付の対象外となる場合があるため、事前に請求先の市区町村に確認しましょう。

相続関係説明図が必要になる手続き一覧

相続が発生すると、不動産登記以外にも多くの手続きが必要です。手続きごとに「相続関係説明図で足りるか」「法定相続情報一覧図が必要か」「戸籍の原本提出が必要か」が異なります。

手続き 届出先 相続関係説明図 法定相続情報一覧図 戸籍原本
相続登記(不動産)法務局◎ 原本還付に必須○ 代用可要提出(還付あり)
預貯金の解約・名義変更金融機関△ 機関による◎ 推奨要提出(還付あり)
株式・投資信託の名義変更証券会社△ 機関による◎ 推奨要提出(還付あり)
生命保険金の請求保険会社× 通常不要○ 利用可要提出(還付あり)
相続税の申告税務署△ 参考添付◎ 推奨要提出(コピー可の場合あり)
自動車の名義変更運輸支局× 不要○ 利用可要提出
年金の未支給請求年金事務所× 不要× 不可要提出

◎=推奨・必須、○=利用可、△=機関や担当者の判断による、×=原則不要・不可

Point

不動産・預貯金・株式・保険など3つ以上の手続きを同時並行で進める場合、法定相続情報一覧図を5〜6部取得しておくと、戸籍の束を1セットだけ用意すれば済みます。相続関係説明図は法務局への相続登記用として1部作成し、他の手続きは一覧図で対応するのが効率的です。

手続きの優先順位と期限

相続手続きには期限があるものとないものがあります。期限のあるものから優先して進めましょう。

手続き 期限 超過した場合のリスク
相続放棄3か月以内放棄不可(単純承認とみなされる)
準確定申告(被相続人の所得税)4か月以内加算税・延滞税の発生
相続税の申告・納付10か月以内加算税・延滞税+小規模宅地等の特例が適用不可
相続登記3年以内(義務化)正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
遺留分侵害額請求1年以内(知った日から)時効により請求権消滅
預貯金の解約法律上の期限なし休眠口座化のリスク(10年で預金保険機構へ移管)

相続人の範囲と法定相続分の早見表

相続関係説明図を正しく作成するためには、誰が法定相続人になるかの理解が前提です。民法が定める相続人の範囲と順位を整理します。

法定相続人の順位

順位 相続人 備考
常に相続人配偶者婚姻届を出している法律上の配偶者のみ。内縁・事実婚は相続権なし
第1順位子(直系卑属)実子・養子・認知した子を含む。子が先に死亡している場合は孫が代襲
第2順位父母(直系尊属)第1順位がいない場合に相続人になる。父母が死亡なら祖父母
第3順位兄弟姉妹第1・第2順位がいない場合に相続人になる。代襲は甥姪まで(1代限り)

法定相続分の早見表

相続人の組み合わせ 配偶者 子(第1順位) 父母(第2順位) 兄弟姉妹(第3順位)
配偶者+子1/21/2(人数で均等割)――
配偶者+父母2/3―1/3(人数で均等割)―
配偶者+兄弟姉妹3/4――1/4(人数で均等割)
配偶者のみ全額―――
子のみ―全額(人数で均等割)――

計算例:配偶者+子2人で遺産総額6,000万円の場合

計算例

  • 配偶者の法定相続分:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
  • 子の法定相続分(合計):6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
  • 子1人あたり:3,000万円 ÷ 2 = 1,500万円

遺産分割協議で法定相続分と異なる割合にすることもできます。その場合、相続関係説明図の相続人欄には「遺産分割」と記載します。

計算例:配偶者+兄弟2人で遺産総額4,000万円の場合

計算例

  • 配偶者の法定相続分:4,000万円 × 3/4 = 3,000万円
  • 兄弟姉妹の法定相続分(合計):4,000万円 × 1/4 = 1,000万円
  • 兄弟1人あたり:1,000万円 ÷ 2 = 500万円

兄弟姉妹には遺留分がありません。遺言書で配偶者に全額を相続させることも可能です。

作成前チェックリスト

相続関係説明図の作成に着手する前に、以下の項目を順番に確認しましょう。漏れがあると法務局で申請が受理されず、二度手間になります。

戸籍収集の準備チェック

  • ☐ 被相続人の最後の本籍地を確認した(住民票の除票で確認可能)
  • ☐ 被相続人の出生から死亡までの連続戸籍を全て取得した
  • ☐ 改製原戸籍・除籍謄本も含めて、途切れがないか確認した
  • ☐ 相続人全員の現在の戸籍謄本を取得した
  • ☐ 被相続人の住民票の除票(最後の住所確認用)を取得した

相続人確定のチェック

  • ☐ 前婚の子・認知した子がいないか戸籍で確認した
  • ☐ 養子縁組の有無を確認した
  • ☐ 代襲相続が発生していないか確認した(先に亡くなった子がいないか)
  • ☐ 相続放棄をした人がいないか確認した
  • ☐ 相続欠格・廃除に該当する人がいないか確認した

図面作成のチェック

  • ☐ タイトルに「被相続人〇〇〇〇 相続関係説明図」と記載した
  • ☐ 被相続人の氏名・最後の本籍・最後の住所・生年月日・死亡日を記載した
  • ☐ 相続人全員の氏名・住所・生年月日・続柄を記載した
  • ☐ 各相続人に「相続」または「遺産分割」の区分を記載した
  • ☐ 配偶者は二重線、子は単線で正しく結んだ
  • ☐ 相続放棄した人には「相続放棄」と付記した
  • ☐ 住所は住民票の表記と完全に一致している

提出前の最終チェック

  • ☐ 相続関係説明図の記載内容と戸籍謄本の記載が一致している
  • ☐ 遺産分割協議書がある場合、その内容と「相続」「遺産分割」の記載が一致している
  • ☐ 相続登記申請書を作成した(登記申請書+説明図+戸籍+遺産分割協議書等を一式揃えた)
  • ☐ 登録免許税の額を計算した(不動産の固定資産税評価額 × 0.4%)

注意

チェックリストの項目をすべて確認しても、戸籍の読み解きに不安がある場合は司法書士への相談を検討してください。特に、被相続人が戦前生まれで旧民法下の戸籍がある場合や、旧字体・異体字で読みにくい場合は、専門家の目を通すことで相続人の漏れを防げます。

登録免許税の計算例

相続登記の際に納める登録免許税は、不動産の固定資産税評価額に税率0.4%を掛けて算出します。

不動産の固定資産税評価額 登録免許税(税率 0.4%)
1,000万円4万円
2,000万円8万円
3,000万円12万円
5,000万円20万円
1億円40万円

※1,000円未満は切り捨て。固定資産税評価額は、毎年4〜6月に届く固定資産税の納税通知書(課税明細書)で確認できます。

よくある質問(FAQ)

相続関係説明図は自分で作成できますか?
はい、自分で作成できます。戸籍謄本をもとに被相続人と相続人の関係を図にまとめるだけですので、特別な資格は不要です。ただし、相続人の漏れがあると法務局で受理されないため、戸籍の収集と確認は慎重に行いましょう。
相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違いは何ですか?
相続関係説明図は相続登記時に戸籍原本の還付を受けるための添付書類で、自分で作成します。法定相続情報一覧図は法務局が認証する公的な証明書で、金融機関での相続手続きにも使えます。一覧図は一度取得すれば複数の手続きで戸籍の束を持ち歩く必要がなくなる点が大きなメリットです。
相続関係説明図に決まった書式はありますか?
法定の書式はありませんが、法務局が公開しているひな形に沿って作成するのが確実です。被相続人の氏名・最後の本籍・最後の住所・死亡日、相続人の氏名・住所・生年月日・続柄を記載し、「相続」か「遺産分割」かを明記します。手書き・パソコンのどちらでも受理されます。
相続関係説明図の提出先はどこですか?
主な提出先は法務局(相続登記)です。相続登記の申請書に添付して提出することで、戸籍謄本の原本が還付されます。金融機関や税務署への提出には、法定相続情報一覧図のほうが便利な場合があります。なお、相続税の申告書には参考資料として添付することも可能です。
代襲相続がある場合の書き方はどうなりますか?
代襲相続がある場合は、被代襲者(先に亡くなった相続人)を図に記載したうえで死亡日を付記し、その子(代襲相続人)を線で結んで「代襲相続人」と明記します。被代襲者には「被代襲者(死亡)」と記載します。子の代襲は何代でも続きますが、兄弟姉妹の代襲は甥姪(1代限り)までです。
相続関係説明図の作成にかかる費用はいくらですか?
自分で作成する場合、図面の作成自体は無料です。費用がかかるのは戸籍謄本の取得手数料で、1通あたり450円(除籍謄本・改製原戸籍は750円)です。被相続人の転籍回数によりますが、戸籍収集の実費は合計3,000〜8,000円程度が目安です。司法書士に相続登記を含めて依頼する場合は5万〜15万円程度が相場です。

関連トピック(あとで読む)

出典・改訂履歴・免責事項を見る

本ページの制度概要・要件・手続きは、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および司法書士・税理士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。

本相談は個別の法律・税務判断、申告、登記、交渉を代行するものではありません。必要な場合は、確認すべき専門家と論点を分けます。