贈与税とは?
110万円・税率・申告・非課税制度をわかりやすく解説【2026年版】
贈与税は、1月1日から12月31日までに受け取った贈与の合計額から基礎控除110万円を差し引き、残額に税率をかけて計算します。110万円以下なら原則申告不要ですが、名義預金や定期贈与、相続前贈与の加算には注意が必要です。
記事の答えを確認した次に
いま贈る?相続まで残す?家族にどう話す?
決めるタイミング: 贈与契約や資金移動の前。家族ごとの目的と記録方法を決めるとき。
相談で繰り返される本音
- 節税になると聞いたが、自分の生活費は減らしたくない
- きょうだい間で不公平と思われないか心配
- 毎年の記録や申告を続けられるか不安
初回で口頭整理できること
初回は、贈りたい理由、家族、今後必要な生活費を伺い、比較する選択肢を口頭で整理します。
その次に分けること
方針が見えた後、税理士・司法書士等へ確認する制度要件と必要資料を分けます。
初回の範囲: 税負担の確定、贈与契約書の作成、申告・登記の代行、金融商品の申込みは初回に行いません。
初回は口頭で整理します。資料がなくても、分かる範囲から始められます
相談前のFAQ
資料がそろっていなくても相談できますか?
はい。初回は、いま分かる範囲から迷いと確認順を整理します。通知書、通帳、財産や家計のメモなどが手元にあれば、分かる範囲だけご用意ください。
初回で何を持ち帰れますか?
いま決めること、まだ決めなくてよいこと、次に確認する数字や窓口を口頭で整理して持ち帰れます。初回当日の資料完成は約束していません。
初回に商品や契約の話がありますか?
初回は迷いと数字の整理に使います。金融商品の見積り、申込み、契約変更は初回の範囲に含みません。
相続・贈与は、税額だけでなく家族関係、住まい、老後資金までつながるテーマです。まずは全体像を整理してから動きましょう。
目次(6セクション)
贈与税と相続対策の使い分け早見表
贈与税は「110万円を超えたら税金」という単純な話ではありません。暦年課税、相続時精算課税、住宅取得資金、教育資金、結婚・子育て資金、生命保険、相続税の基礎控除を一緒に見る必要があります。
| 目的 | 候補になる制度 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 毎年少しずつ渡す | 暦年課税の基礎控除110万円 | 早めに始められ、家族間で記録を残せる | 相続前7年持ち戻し(段階的に延長)、名義預金、定期贈与に注意 |
| まとまった財産を早めに移す | 相続時精算課税 | 値上がりしそうな資産や、管理を早く移したい財産 | 同じ贈与者からは暦年課税に戻れない |
| 住宅購入を支援する | 住宅取得資金贈与 | 子や孫の住宅購入時期が決まっている | 期限、住宅性能、所得要件、契約時期を確認 |
| 教育費を支援する | 必要な都度の教育費の負担(教育資金の一括贈与は2026年3月31日で新規終了) | 孫の教育費を祖父母が支えたい | 預金や投資に回すと贈与税の対象。一括贈与の既存契約は使い残しと年齢要件を確認 |
| 証拠を残す | 贈与契約書、入金記録 | 将来の税務確認や家族間の説明に備えたい | 現金手渡しだけでは証拠が弱い |
贈与税を下げることだけを目的にすると、相続時に家族が揉めることがあります。先に「誰に何を残したいか」「相続税がかかる規模か」「不動産を誰が引き継ぐか」を整理してから、贈与の方法を選びます。
年齢・資産別|贈与の始め方を変える
同じ110万円贈与でも、贈与者の年齢、資産の種類、相続税の見込みで優先順位が変わります。
| 状況 | 優先する贈与 | 避けたい失敗 | 一緒に見るページ |
|---|---|---|---|
| 60代・相続まで時間がある | 暦年課税、住宅取得資金、必要な都度の教育費 | 毎年同額・同日で定期贈与と見られる | 生前贈与ガイド |
| 70代・不動産が多い | 相続時精算課税、不動産承継、家族信託 | 不動産だけ移して納税資金が不足する | 不動産相続 |
| 80代・相続が近い | 生命保険、遺言、遺産分割対策 | 贈与だけ急いで家族の公平感を崩す | 遺言書の書き方 |
| 孫へ渡したい | 必要な都度の教育費、結婚・子育て資金、暦年贈与 | 親世代との説明不足で揉める | 教育資金贈与 |
贈与税の基本
贈与税は、個人から個人へ財産が移ったときに、財産をもらった人にかかる税金です。現金、不動産、株式、保険料の負担、借金の免除、著しく低い価額での譲渡など、形はさまざまです。
法人からもらった財産は所得税の対象になるなど、相手や原因によって税目が変わるため、まず「誰から、何を、どのように受け取ったか」を整理します。
110万円を超えたらどう計算するか
暦年課税では、1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を差し引き、残った金額に税率をかけます。直系尊属から18歳以上の子や孫へ贈与する場合は、一般税率ではなく特例税率を使うことがあります。
複数人から贈与を受けた場合、贈与者ごとではなく、受贈者が1年間にもらった合計額で判定します。父から100万円、母から100万円なら合計200万円で、110万円を超える部分が計算対象です。
申告期限と非課税制度
贈与税の申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。住宅取得等資金、配偶者控除などは、非課税や控除の金額だけでなく、申告・金融機関・居住要件などの手続き条件を確認する必要があります。教育資金一括贈与の非課税は2026年3月31日で新規の適用が終了しました(すでに適用を受けた分は引き続き非課税)。
「非課税枠内だから何もしなくてよい」と思い込むのは危険です。特例は申告書や添付書類を出して初めて使えるものがあります。
相続税とのつながり
2024年以後の暦年贈与は、相続開始前7年以内のものが段階的に相続財産へ加算されます。贈与税を抑えるだけでなく、相続税・遺産分割・家族間の合意まで含めて設計することが大切です。
贈与額別|暦年課税と相続時精算課税の税額比較
贈与税は「110万円を超えたら全部に税金がかかる」わけではありません。1年間にもらった財産から基礎控除110万円を引き、残額に税率をかけます。18歳以上の子・孫が父母・祖父母から受ける贈与は特例税率、それ以外は一般税率で見ます。
| 贈与例 | 暦年課税の税額目安 | 相続時精算課税を選んだ場合 | 判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 親から18歳以上の子へ500万円 | 特例税率で約48.5万円。一般税率なら約53万円 | 年110万円を引いた390万円は2,500万円特別控除の範囲内なら贈与税0円。ただし相続時に精算 | 相続税がかかる家庭では「今の贈与税0円」だけで判断しない |
| 親から18歳以上の子へ1,000万円 | 特例税率で約177万円。一般税率なら約231万円 | 年110万円を引いた890万円は2,500万円特別控除の範囲内なら贈与税0円。ただし相続時に精算 | 住宅取得資金など目的が明確なら非課税制度も確認 |
| 毎年110万円を10年 | 暦年課税では原則贈与税0円 | 相続時精算課税でも年110万円までは相続時に加算されない基礎控除あり | 定期贈与と疑われないよう、契約書・振込・通帳管理を毎年分ける |
| 相続前7年以内の暦年贈与 | 贈与税を払っていても、一定の贈与は相続財産に加算 | 相続時精算課税の年110万円基礎控除部分は相続時加算の対象外 | 高齢の親からの贈与は、7年持ち戻しと精算課税を比較 |
計算前提:国税庁「贈与税の計算と税率」、相続時精算課税制度、相続開始前の贈与加算をもとに編集部が概算。税額は取得財産、受贈者の年齢、贈与者との関係、非課税制度の適用で変わります。
よくある質問
贈与税とは何ですか?
個人から財産をもらった人にかかる税金です。暦年課税では1年間の贈与合計から110万円を差し引いて計算します。
贈与税は誰が払いますか?
財産をもらった人、つまり受贈者が申告・納税します。
110万円以下なら絶対に大丈夫ですか?
暦年課税では原則申告不要ですが、名義預金、定期贈与、相続前贈与の加算など別の論点があります。
出典・改訂履歴・免責事項を見る
本ページは、以下の公式情報を編集部が確認のうえ、一般向けに要点を整理しています。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
- 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
- 国税庁 財産をもらったとき
- 国税庁 相続税・贈与税
- 国税庁 税についての相談窓口
- 国税庁 タックスアンサー No.4510「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(令和8年4月1日現在法令等・2026年10月確認) 国税庁
最終確認日:
改訂:2026年10月19日、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が2026年3月31日で延長されずに終了したことを反映しました。
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・司法書士・弁護士・FPなど専門家にご相談ください。
本相談はIKIGAI TOWN編集部が運営するFP相談サービスです。税務署・法務局・家庭裁判所などの公式窓口とは異なります。