税金・節税

住民税の扶養控除
一般33万・特定45万・老人38万の効果と条件

税金と固定費を確認して毎月の手取りの余白を整える場面
税金や控除の確認を、毎月の手取りと将来資金の判断につなげます。

住民税の扶養控除(一般33万・特定45万・老人38万・同居老親45万)の条件・効果・注意点を解説。

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税制を家計の選択に当てはめる前に確認すること

  1. 期限

    適用する年分、申告・届出の期限、選択を変更できる期限を、制度ごとに分けて確認します。

  2. 手続き

    税額や適用可否は、国税庁・自治体・税理士の確認先へ。記事の一般情報だけで個別判定を確定しません。

  3. 家計判断

    税制上の有利不利と、手元資金・将来支出への影響を分けて比べます。

目次(7セクション)
  1. 扶養控除の種類と金額
  2. 適用条件(所得48万円以下)
  3. 特定扶養控除(19〜22歳)
  4. 老人扶養控除(70歳以上)
  5. 扶養控除の種類・控除額・節税効果の一覧
  6. 年収別シミュレーション
  7. FPに相談すべきケース

扶養控除の種類と金額

住民税の扶養控除は、扶養親族の年齢によって4つの区分に分かれます。一般の扶養親族(16歳以上19歳未満・23歳以上69歳以下)は33万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は45万円、老人扶養親族(70歳以上)は38万円、同居老親等は45万円です。16歳未満の年少扶養親族には控除が適用されません。

所得税の扶養控除と比較すると、住民税の控除額は全区分で低く設定されています。たとえば一般扶養控除は所得税38万円に対して住民税33万円、特定扶養控除は所得税63万円に対して住民税45万円です。住民税の税率は一律10%のため、一般扶養控除であれば年間3万3,000円、特定扶養控除であれば年間4万5,000円の住民税が軽減される計算になります。なお、住民税全体の計算方法については住民税の計算方法で詳しく解説しています。

扶養控除は年末調整または確定申告で申告します。共働き世帯では夫婦どちらの扶養に入れるかを選べますが、所得が高い側に入れたほうが所得税の節税効果は大きくなります。住民税は税率が一律のため、どちらに入れても住民税の軽減額は同じです。なお、配偶者自身の控除については住民税の配偶者控除・配偶者特別控除のページをご覧ください。

適用条件(所得48万円以下)

扶養控除を受けるための主な条件は、扶養親族の合計所得金額が48万円以下であることです。給与収入のみの場合、給与所得控除55万円を差し引くため、年収103万円以下が目安になります。この「103万円の壁」は所得税・住民税のどちらにも共通する基準です。

扶養親族は、納税者と生計を一にしている配偶者以外の親族(6親等内の血族・3親等内の姻族)である必要があります。別居していても、仕送りなどで生計を一にしていると認められれば対象になります。たとえば大学進学で一人暮らしをしている子どもや、離れて暮らす親に生活費を送っている場合も該当します。

注意点として、扶養親族が他の納税者の扶養控除や配偶者控除の対象になっている場合は重複して適用できません。また、青色事業専従者として給与を受けている人や白色事業専従者も扶養親族には含まれません。パートやアルバイトの収入がある家族は、年末時点の見込み年収を確認しておくことが大切です。申告漏れで控除が反映されないケースについては住民税に控除が反映されない理由もあわせてご確認ください。

特定扶養控除(19〜22歳)

特定扶養控除は、その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満の扶養親族に適用される控除です。住民税では45万円が控除され、住民税の軽減額は年間4万5,000円になります。大学生の子どもがいる世帯にとって、家計への影響が大きい控除区分です。

特定扶養控除が一般より高く設定されている理由は、大学等の教育費がかさむ年代の家庭の負担を軽減するためです。所得税では63万円(一般38万円との差額25万円)、住民税では45万円(一般33万円との差額12万円)と、いずれも上乗せされています。所得税率が20%の世帯であれば、所得税と住民税を合わせて年間約17万円の税負担軽減が見込めます。

ただし、子どもがアルバイトで年収103万円(所得48万円)を超えると、特定扶養控除の対象から外れます。扶養から外れると親の住民税が4万5,000円増えるだけでなく、所得税でも控除がなくなるため、世帯全体で見ると手取りが減る可能性があります。年末が近づいたら、子どものアルバイト収入を早めに確認しましょう。

具体例として、年収600万円(所得税率20%)の会社員に20歳の大学生の子どもがいる場合を考えます。特定扶養控除が適用されると、所得税で63万円×20%=12万6,000円、住民税で45万円×10%=4万5,000円、合計17万1,000円の税負担軽減です。もし子どものバイト年収が103万円を超えて控除が外れると、この17万1,000円がそのまま増税になります。子どもの手取りが数万円増えても、世帯全体では損になるケースが多いため注意が必要です。

老人扶養控除(70歳以上)

老人扶養控除は、その年の12月31日時点で70歳以上の扶養親族に適用されます。住民税の控除額は38万円で、住民税が年間3万8,000円軽減されます。さらに、納税者またはその配偶者の直系尊属(父母・祖父母)で同居している場合は「同居老親等」に該当し、控除額が45万円に増額されます。

同居老親等の判定では、病気の治療で入院している場合は同居とみなされますが、老人ホームに入所している場合は同居に該当しません。入院が長引いているケースでは、退院の見込みがあれば同居扱いが維持されます。この違いで控除額が7万円変わり、住民税では年間7,000円の差が出ます。

親の年金収入が多い場合は注意が必要です。65歳以上の場合、公的年金等控除110万円があるため、年金収入158万円以下であれば合計所得金額が48万円以下となり扶養親族の条件を満たします。親が個人年金や不動産所得を持っている場合は、それらも合算して48万円以下かどうかを確認しましょう。住民税が非課税になる条件については住民税非課税世帯のページで詳しく解説しています。

具体例として、年収500万円(所得税率10%)の会社員が75歳の母と同居している場合を考えます。母の年金収入が年間150万円であれば、公的年金等控除110万円を差し引くと所得は40万円で、48万円以下の要件を満たします。同居老親等の扶養控除が適用されると、所得税で58万円×10%=5万8,000円、住民税で45万円×10%=4万5,000円、合計10万3,000円の節税になります。

扶養控除の種類・控除額・住民税節税効果の一覧

住民税の扶養控除は区分によって控除額が異なり、所得税の控除額とも差があります。以下の表で、各区分の年齢条件・住民税控除額・所得税控除額・住民税の年間節税額を一覧で確認できます。

区分 対象年齢(12/31時点) 住民税の控除額 所得税の控除額 住民税の年間節税額(税率10%)
年少扶養親族 16歳未満 0円(対象外) 0円(対象外) 0円
一般の扶養親族 16歳以上19歳未満・23歳以上69歳以下 33万円 38万円 3万3,000円
特定扶養親族 19歳以上23歳未満 45万円 63万円 4万5,000円
老人扶養親族(非同居) 70歳以上 38万円 48万円 3万8,000円
老人扶養親族(同居老親等) 70歳以上・同居の直系尊属 45万円 58万円 4万5,000円

たとえば、大学生の子ども(20歳)と同居の母(76歳)を扶養に入れている場合、住民税の扶養控除は特定45万円+同居老親等45万円=合計90万円。住民税の軽減額は90万円×10%=年間9万円になります。医療費控除と組み合わせれば、さらに住民税を減らせる可能性があります。

年収別シミュレーション

扶養控除による節税効果は、所得税の累進税率により年収が高いほど大きくなります。以下に、大学生の子ども1人(特定扶養親族)を扶養に入れた場合の、年収別の節税額シミュレーションを示します。

年収400万円(所得税率5%)の場合:所得税の特定扶養控除63万円×5%=3万1,500円、住民税の特定扶養控除45万円×10%=4万5,000円。合計で年間7万6,500円の節税です。住民税の節税額のほうが大きい点が特徴的です。

年収600万円(所得税率20%)の場合:所得税63万円×20%=12万6,000円、住民税45万円×10%=4万5,000円。合計で年間17万1,000円の節税になります。

年収900万円(所得税率23%)の場合:所得税63万円×23%=14万4,900円、住民税45万円×10%=4万5,000円。合計で年間18万9,900円の節税です。

住民税の軽減額は年収にかかわらず一定の4万5,000円ですが、所得税は年収が上がるほど節税効果が拡大します。共働き世帯で子どもをどちらの扶養に入れるか迷ったときは、所得税率が高いほうに入れると世帯全体の節税額が最大化されます。住民税の計算を自分で確認したい方は住民税の計算方法をご参照ください。扶養控除以外も含めて会社員が使える節税策を一通り確認したい方は 会社員(給与所得者)の節税 のページもあわせてご覧ください。

💬 相談事例から

📋 30代会社員のAさん(年収700万円)

ふるさと納税の上限額を正確に把握できていなかったAさん。FPがiDeCo・ふるさと納税・新NISAの控除枠を一覧表にまとめ、組み合わせを最適化。手取りが年80万円増え、住民税の負担も大きく軽減されました。

事例#0007を読む →

📋 30代会社員のBさん(副業収入年200万円)

事例#0003を読む →

📋 60代後半・会社員のCさん(NISA初心者)

iDeCoとふるさと納税を「なんとなく」使っていたCさん。FPが控除の優先順位を整理し、住民税の所得割から逆算した最適な拠出額を提案。NISAとの併用で20年後に1,500万円を作る道筋が明確になりました。

事例#0008を読む →

FPに相談すべきケース

控除の組み合わせは複雑で、配偶者控除と扶養控除の併用、医療費控除の申告漏れなど、FPに家計を整理してもらうことで控除の申請漏れに気づくケースがある(個別の控除適用判定・申告は税理士の独占業務)ケースがあります。特に以下のような状況では、専門家に相談する価値が大きいといえます。

子どものアルバイト収入が100万円前後のケースでは、103万円を超えるか超えないかで世帯の税負担が10万円以上変わることがあります。子どもの年収調整と親の扶養控除のバランスを、FPと一緒にシミュレーションするのが効果的です。

親の介護費用が年間10万円を超える世帯では、扶養控除と医療費控除の両方を活用できる可能性があります。親の年金収入が158万円以下なら扶養に入れつつ、介護費用を医療費控除で申告することで、住民税が合計で年間5〜8万円軽減されるケースもあります。

共働きで子ども2人以上の世帯は、それぞれの子どもをどちらの扶養に入れるかで世帯全体の税額が変わります。年末調整の前にFPと控除の最適配分を確認しておくと、申告漏れや配分ミスによる損失を防げます。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

住民税の扶養控除と所得税の扶養控除はどう違いますか?
住民税の扶養控除額は所得税より低く設定されています。一般扶養控除は所得税38万円に対し住民税33万円、特定扶養控除は所得税63万円に対し住民税45万円です。住民税は税率一律10%のため、控除額×10%が実際の節税額になります。
子どものアルバイト収入が103万円を超えると扶養控除はどうなりますか?
子どもの年収が103万円(合計所得金額48万円)を超えると扶養控除の対象外になります。特定扶養控除が外れた場合、親の住民税が年間4万5,000円、所得税率20%なら所得税が12万6,000円増え、世帯全体で年間約17万円の負担増になります。
別居の親を扶養に入れて住民税の控除を受けられますか?
はい、別居でも仕送りなどで生計を一にしていると認められれば扶養控除の対象になります。70歳以上の親の場合は老人扶養控除38万円が適用され、住民税が年間3万8,000円軽減されます。ただし同居老親等の45万円は適用されません。
共働きの場合、子どもはどちらの扶養に入れるべきですか?
住民税は税率一律10%のためどちらに入れても軽減額は同じですが、所得税は累進税率のため所得が高い側に入れたほうが節税効果が大きくなります。所得税率20%と10%の夫婦なら、20%側に入れることで所得税の節税額が倍になります。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。