税金・節税

住民税の配偶者控除・配偶者特別控除
年収160万・201万の壁

税金と固定費を確認して毎月の手取りの余白を整える場面
税金や控除の確認を、毎月の手取りと将来資金の判断につなげます。

住民税の配偶者控除(最大33万円)と配偶者特別控除の適用条件、年収の壁、所得税との違いを解説。

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税制を家計の選択に当てはめる前に確認すること

  1. 期限

    適用する年分、申告・届出の期限、選択を変更できる期限を、制度ごとに分けて確認します。

  2. 手続き

    税額や適用可否は、国税庁・自治体・税理士の確認先へ。記事の一般情報だけで個別判定を確定しません。

  3. 家計判断

    税制上の有利不利と、手元資金・将来支出への影響を分けて比べます。

目次(7セクション)
  1. 配偶者控除の条件と金額
  2. 配偶者特別控除の段階
  3. 年収123万・160万・201万の壁
  4. 所得税との控除額の違い
  5. 配偶者の年収別・住民税控除額の早見表
  6. 世帯手取りシミュレーション
  7. FPに相談すべきケース

配偶者控除の条件と金額

住民税の配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与収入のみなら年収123万円以下。2026年度分=2025年の収入から)の場合に適用されます。控除額は最大33万円で、住民税の税率10%をかけると年間最大3万3,000円の住民税が軽減されます。配偶者が70歳以上の場合は「老人控除対象配偶者」として控除額が38万円に増額されます。

配偶者控除を受けるには、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることも条件です。本人の所得が900万円超になると控除額が段階的に縮小し、900万円超950万円以下で22万円、950万円超1,000万円以下で11万円となります。年収に換算すると、給与収入1,095万円を超えるあたりから控除額が減り始めます。

配偶者控除の対象となる配偶者は、民法上の婚姻関係にある配偶者に限られます。事実婚(内縁関係)の場合は適用されません。また、配偶者が青色事業専従者として給与を受けている場合や、白色事業専従者に該当する場合も対象外です。なお、配偶者以外の家族の控除については住民税の扶養控除をご覧ください。

配偶者特別控除の段階

配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下(給与収入123万円超201万6,000円未満)の場合に適用される控除です。2026年度分の住民税では、配偶者の所得が58万円超100万円以下のとき33万円が控除され、所得が増えるにつれて控除額が減少していきます。

具体的な段階として、配偶者の合計所得金額が100万円超105万円以下で31万円、105万円超110万円以下で26万円、110万円超115万円以下で21万円、115万円超120万円以下で16万円、120万円超125万円以下で11万円、125万円超130万円以下で6万円、130万円超133万円以下で3万円です。133万円を超えると控除は完全になくなります。

配偶者特別控除も、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると適用できません。また、配偶者控除と同様に、本人の所得が900万円超・950万円超で控除額がさらに縮小する仕組みになっています。夫婦の所得の組み合わせによって控除額が変わるため、年末調整前に双方の見込み年収を確認しておきましょう。控除が正しく反映されているか確認する方法は住民税に控除が反映されない理由を参照してください。

年収123万・160万・201万の壁

配偶者の働き方を考えるうえで意識されるのが「年収の壁」です。まず123万円の壁(2025年の収入)は、配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わる境目です。配偶者自身に所得税がかかり始めるのは、2025年分では給与収入160万円を超えてからです。配偶者特別控除の最大額は配偶者控除と同額の33万円(住民税)なので、123万円を少し超えただけで世帯の税負担が急増するわけではありません。

160万円の壁は、配偶者特別控除が満額を受けられる上限の目安です。所得税(2025年分)では配偶者の給与収入が160万円(合計所得金額95万円)を超えると満額38万円から減り始めます。2026年度分の住民税は合計所得100万円(年収165万円)まで33万円のままで、そこから段階的に減ります。

201万6,000円の壁は、配偶者特別控除が完全にゼロになるラインです。配偶者の給与収入がこの金額以上になると、住民税でも所得税でも配偶者に関する控除は一切受けられなくなります。なお、年収の壁には税金のほかに社会保険の「106万円の壁」「130万円の壁」もあり、手取りへの影響はこれらを総合的に考える必要があります。住民税が非課税になる条件は住民税非課税世帯で詳しく解説しています。

所得税との控除額の違い

配偶者控除・配偶者特別控除は、所得税と住民税で控除額が異なります。配偶者控除の満額は所得税38万円に対して住民税33万円で、5万円の差があります。老人控除対象配偶者の場合は所得税48万円・住民税38万円で、差額は10万円に広がります。所得税と住民税で控除額が異なる理由は住民税の基礎控除のページでも解説しています。

配偶者特別控除の段階的な減少カーブも、所得税と住民税で異なります。所得税では配偶者の所得58万円超95万円以下のとき38万円が控除されますが、住民税では33万円です。合計所得100万円を超える段階からは、所得税と住民税の控除額は同じになります(最終段階の所得130万円超133万円以下ではどちらも3万円)。

実際の節税額を計算するときは、所得税は累進税率(5〜45%)、住民税は一律10%をそれぞれ控除額にかけます。たとえば所得税率20%の人が配偶者控除を満額受ける場合、所得税で38万円×20%=7万6,000円、住民税で33万円×10%=3万3,000円、合計10万9,000円の節税です。住民税は税率が低い分、控除額の差が実際の税額に与える影響は所得税ほど大きくありません。住民税の計算全体を確認したい方は住民税の計算方法をご参照ください。

配偶者の年収別・住民税控除額の早見表

配偶者の年収(給与収入)が変わると、住民税の控除額がどう変化するかを一覧表にまとめました。納税者本人の所得が900万円以下の場合の、2026年度分(2025年の収入)の控除額です。

配偶者の年収(給与収入) 配偶者の合計所得金額 適用される控除 住民税の控除額 住民税の年間節税額
123万円以下 58万円以下 配偶者控除 33万円 3万3,000円
123万円超〜165万円以下 58万円超〜100万円以下 配偶者特別控除(満額) 33万円 3万3,000円
165万円超〜170万円以下 100万円超〜105万円以下 配偶者特別控除 31万円 3万1,000円
170万円超〜175万円以下 105万円超〜110万円以下 配偶者特別控除 26万円 2万6,000円
175万円超〜180万円以下 110万円超〜115万円以下 配偶者特別控除 21万円 2万1,000円
180万円超〜185万円以下 115万円超〜120万円以下 配偶者特別控除 16万円 1万6,000円
185万円超〜190万円以下 120万円超〜125万円以下 配偶者特別控除 11万円 1万1,000円
190万円超〜197万2,000円未満 125万円超〜130万円以下 配偶者特別控除 6万円 6,000円
197万2,000円以上〜201万6,000円未満 130万円超〜133万円以下 配偶者特別控除 3万円 3,000円
201万6,000円以上 133万円超 なし 0円 0円

2026年度分(令和8年度分=2025年の収入)・納税者本人の合計所得900万円以下・一般の控除対象配偶者(70歳未満)の場合です。年収は給与収入のみで、給与所得控除(最低65万円。190万円超は所得税法別表第五)で換算した目安です。年間節税額は控除額×税率10%の概算です。出典: 横浜市『税の知識 令和8年度ウェブ版』(配偶者控除・配偶者特別控除の表)、総務省「個人住民税の基礎控除等について」(令和7年度税制改正で給与所得控除の最低保障額65万円・所得要件10万円引上げ、令和8年度分から適用)、2026年10月確認

この表から分かるとおり、配偶者の年収が123万円を超えても165万円以下であれば住民税の控除額は変わりません。165万円を超えると段階的に減少しますが、急激に控除がなくなるわけではない点がポイントです。

世帯手取りシミュレーション

配偶者の年収が変わると、世帯全体の手取りはどう変化するのでしょうか。夫の年収800万円(2025年分の所得税率20%)で配偶者がパートで働く場合を具体的にシミュレーションします。

配偶者の年収100万円の場合:配偶者控除33万円が適用され、住民税3万3,000円+所得税7万6,000円=合計10万9,000円の節税。配偶者自身の所得税・住民税はほぼゼロ。社会保険は夫の扶養内。

配偶者の年収130万円の場合:配偶者特別控除33万円(満額)が適用され、節税額は同じ10万9,000円。ただし社会保険の「130万円の壁」に注意が必要で、年収が130万円を超えると配偶者自身で健康保険・年金に加入する必要があり、年間約20〜25万円の社会保険料負担が発生します。

配偶者の年収160万円の場合:配偶者特別控除は満額のまま(住民税33万円・所得税38万円)で、節税額は10万9,000円と変わりません。配偶者自身の社会保険料負担が約22万円、配偶者自身の住民税が約3万円(所得税は2025年分ではかかりません)。年収100万円のときと比べ、配偶者の手取り増は年収増60万円−社会保険料22万円−配偶者自身の税金約3万円=約35万円で、この例では世帯手取りは増えています。

配偶者の年収200万円の場合:配偶者特別控除は住民税・所得税とも3万円となり、ほぼ消失。世帯全体の節税額は大幅に減りますが、配偶者自身の収入増が上回るため、世帯手取りは最も大きくなります。年収の壁を意識しすぎて働き控えするよりも、壁を超えて十分に稼ぐほうが世帯全体では有利になるケースが多い点を押さえておきましょう。

💬 相談事例から

📋 30代会社員のAさん(年収700万円)

ふるさと納税の上限額を正確に把握できていなかったAさん。FPがiDeCo・ふるさと納税・新NISAの控除枠を一覧表にまとめ、組み合わせを最適化。手取りが年80万円増え、住民税の負担も大きく軽減されました。

事例#0007を読む →

📋 30代会社員のBさん(副業収入年200万円)

事例#0003を読む →

📋 60代後半・会社員のCさん(NISA初心者)

iDeCoとふるさと納税を「なんとなく」使っていたCさん。FPが控除の優先順位を整理し、住民税の所得割から逆算した最適な拠出額を提案。NISAとの併用で20年後に1,500万円を作る道筋が明確になりました。

事例#0008を読む →

FPに相談すべきケース

配偶者控除は扶養控除や医療費控除など他の控除との兼ね合いが複雑で、FPに家計全体を整理してもらうことで年間数万円の節税につながるケースがあります。特に以下のような状況では、専門家に相談する価値が大きいといえます。

配偶者の年収が120〜140万円のゾーンにある世帯は、社会保険の壁と税金の壁が交差するため、手取り額の計算が複雑になります。年収を数万円抑えるか・超えるかで世帯の手取りが逆転するケースもあるため、FPと一緒に正確なシミュレーションを行うのが効果的です。

夫婦の年収バランスが変わった年(転職・育休復帰・パートの時間数変更など)は、前年と同じ申告をしていると控除額が変わっている可能性があります。年末調整の時期にFPに確認してもらうことで、申告漏れによる住民税の過払いを防げます。

納税者本人の合計所得が900万円前後(給与収入のみなら約1,095万円)の場合は、配偶者控除の控除額が縮小するかどうかの境目です。ボーナスの増減や副業収入の有無で合計所得金額が変動するため、控除の適用は勤務先の年末調整やお住まいの自治体で確認しておくと安心です。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

配偶者の年収が123万円を超えたら住民税の控除はゼロになりますか?
いいえ、123万円を超えても配偶者特別控除が適用されます。2026年度分(2025年の収入)の住民税では配偶者の年収165万円(所得100万円)まで満額33万円の控除が受けられ、201万6,000円未満まで段階的に控除が残ります。
配偶者控除と配偶者特別控除は同時に使えますか?
いいえ、同時には使えません。配偶者の合計所得が58万円以下なら配偶者控除、58万円超133万円以下なら配偶者特別控除が適用される(2026年度分)、という排他的な関係です。切り替えは自動的に行われます。
夫の年収が1,000万円を超えると配偶者控除は受けられませんか?
納税者本人の合計所得金額が1,000万円(給与収入約1,195万円)を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも適用できません。ただし配偶者自身の税額には影響しません。
住民税の配偶者控除と所得税の配偶者控除はどう違いますか?
控除額が異なります。配偶者控除の満額は所得税38万円に対し住民税33万円で5万円の差があります。住民税は税率一律10%のため、満額の場合は年間3万3,000円の住民税軽減になります。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026-05-14

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。