住民税の基礎控除
43万円の仕組みと所得税との違い
住民税の基礎控除43万円の仕組みを解説。
税金の最適化プランを、FPに無料で組んでもらう(Zoom30分から)
目次(7セクション)
基礎控除の金額と適用条件
住民税の基礎控除は43万円で、合計所得金額が2,400万円以下のすべての納税者に自動的に適用されます。確定申告や年末調整で特別な手続きをする必要はなく、所得がある人であれば誰でも受けられる控除です。給与所得者・自営業者・年金受給者など、所得の種類を問いません。
基礎控除は所得控除の一つであり、課税所得を計算する際に所得金額から差し引かれます。住民税の税率は一律10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)のため、基礎控除43万円による住民税の軽減額は4万3,000円です。この金額はすべての納税者に共通の「最低限の控除」として機能しています。住民税の計算全体の流れについては住民税の計算方法で詳しく解説しています。
2020年度(令和2年度)の税制改正で、住民税の基礎控除は従来の33万円から43万円に10万円引き上げられました。同時に給与所得控除と公的年金等控除が10万円引き下げられたため、給与所得者や年金受給者にとっては実質的な税負担は変わっていません。ただし、給与や年金以外の所得(事業所得・不動産所得など)がある人にとっては、基礎控除の引き上げ分だけ有利になりました。
所得税の基礎控除との違い
所得税の基礎控除は48万円で、住民税の43万円より5万円高く設定されています。この5万円の差は、住民税が地域の行政サービスを支える目的であり、より広い範囲の住民に負担を求める設計になっていることに起因します。基礎控除に限らず、住民税の所得控除は所得税より低く設定されている項目が多いのが特徴です。同様の差は配偶者控除(所得税38万円 vs 住民税33万円)や扶養控除(所得税38万円 vs 住民税33万円)にも見られます。
実際の税額への影響を計算すると、所得税は基礎控除48万円に累進税率(5〜45%)をかけた額が軽減されます。たとえば所得税率10%の人であれば48万円×10%=4万8,000円の軽減です。一方、住民税は43万円×10%=4万3,000円の軽減となり、差額は5,000円です。
配偶者控除や扶養控除を考える際にも、所得税と住民税の基礎控除の違いは重要です。扶養親族の「合計所得金額48万円以下」という要件は所得税・住民税ともに共通ですが、これは基礎控除の金額とは別の基準です。給与収入103万円以下が扶養の目安となるのは、給与所得控除55万円を引いた後の所得が48万円以下になるためです。
具体例として、年収400万円の会社員の場合を考えます。給与所得控除を差し引いた給与所得は276万円。ここから基礎控除を引くと、所得税の課税所得は276万円−48万円=228万円、住民税の課税所得は276万円−43万円=233万円になります。住民税のほうが課税所得が5万円多いため、住民税が5万円×10%=5,000円分だけ多くなる計算です。
合計所得金額2,400万円超の逓減
2020年度の税制改正により、合計所得金額が2,400万円を超えると基礎控除が段階的に縮小する仕組みが導入されました。住民税の基礎控除は、合計所得金額2,400万円超2,450万円以下で29万円、2,450万円超2,500万円以下で15万円に減額され、2,500万円を超えるとゼロになります。
所得税の基礎控除も同様に逓減しますが、金額が異なります。所得税では2,400万円超2,450万円以下で32万円、2,450万円超2,500万円以下で16万円、2,500万円超でゼロです。住民税のほうが各段階で控除額が低いため、高所得者ほど住民税と所得税の基礎控除の差が縮まります。
この逓減措置は、大多数の納税者には影響しません。合計所得金額2,400万円は、給与収入のみの場合おおむね年収2,595万円に相当します。該当する方は確定申告書の「基礎控除」欄に正しい金額を記入する必要があり、年末調整でも「基礎控除申告書」で合計所得金額の見積額を申告します。申告を誤った場合の対処法については住民税に控除が反映されない理由をご確認ください。
非課税判定との関係
住民税には「非課税限度額」という仕組みがあり、所得が一定以下の人は住民税が課税されません。この非課税限度額は基礎控除の43万円とは別の基準です。たとえば東京23区の場合、単身者の住民税所得割の非課税限度額は合計所得金額45万円以下(給与収入100万円以下)となっています。詳しくは住民税非課税世帯のページで解説しています。
非課税限度額は自治体の等級(1級地〜3級地)によって異なります。1級地(東京23区・政令指定都市など)では単身者で45万円、2級地では41万5,000円、3級地では38万円が目安です。扶養親族がいる場合は「35万円×(本人+扶養親族数)+ 31万円」(1級地の場合)という計算式で限度額が引き上がります。
住民税の均等割と所得割でも非課税の基準が異なります。所得割は上記の限度額で判定されますが、均等割の非課税限度額はさらに低く設定されています。均等割まで非課税になると「住民税非課税世帯」として、国民健康保険料の軽減や高額療養費の自己負担限度額の引き下げなど、さまざまな行政サービスの優遇を受けられます。基礎控除の43万円だけで非課税になるかどうかは判断できないため、お住まいの自治体の基準を確認することが大切です。
基礎控除の所得別逓減表
合計所得金額が2,400万円を超える場合の基礎控除額を、住民税と所得税で比較した一覧表です。住民税の軽減額(税率10%)と所得税の軽減額(税率40%で概算)もあわせて示します。
| 合計所得金額 | 住民税の基礎控除額 | 所得税の基礎控除額 | 住民税の軽減額(税率10%) | 所得税の軽減額(税率40%の場合) |
|---|---|---|---|---|
| 2,400万円以下 | 43万円 | 48万円 | 4万3,000円 | 19万2,000円 |
| 2,400万円超〜2,450万円以下 | 29万円 | 32万円 | 2万9,000円 | 12万8,000円 |
| 2,450万円超〜2,500万円以下 | 15万円 | 16万円 | 1万5,000円 | 6万4,000円 |
| 2,500万円超 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
合計所得金額が2,400万円を超えて2,500万円以下の範囲では、住民税の基礎控除が43万円からゼロまで段階的に消失します。2,400万円以下の大多数の納税者にとっては、この逓減は影響しません。自分の住民税の計算を確認したい方は住民税の計算方法もあわせてご参照ください。
基礎控除と他の控除の組み合わせ
基礎控除は他の所得控除と合算して課税所得を計算します。住民税の主な所得控除と基礎控除の関係を整理すると、全体像が見えてきます。
年収500万円・配偶者あり・子ども1人(16歳)の会社員の場合:給与所得控除を差し引いた給与所得は356万円。ここから基礎控除43万円+配偶者控除33万円+扶養控除(一般)33万円+社会保険料控除約72万円=合計181万円を差し引くと、住民税の課税所得は175万円。住民税額は175万円×10%=17万5,000円です。
同じ条件で医療費控除20万円を加えた場合:課税所得は175万円−20万円=155万円。住民税額は15万5,000円となり、医療費控除によって住民税が2万円軽減されます。基礎控除と他の控除を正しく積み上げることで、住民税の課税所得を合法的に引き下げられる仕組みです。
フリーランス(事業所得300万円)で国民健康保険・国民年金の場合:基礎控除43万円+社会保険料控除約50万円+青色申告特別控除65万円(e-Tax利用)を差し引くと、住民税の課税所得は142万円。さらにiDeCoに月2万3,000円(年間27万6,000円)加入すれば、小規模企業共済等掛金控除が加わり、課税所得は114万4,000円。住民税額は14万2,000円から11万4,400円に下がり、年間2万7,600円の節税になります。
💬 相談事例から
📋 30代会社員のAさん(年収700万円)
ふるさと納税の上限額を正確に把握できていなかったAさん。FPがiDeCo・ふるさと納税・新NISAの控除枠を一覧表にまとめ、組み合わせを最適化。手取りが年80万円増え、住民税の負担も大きく軽減されました。
📋 30代会社員のBさん(副業収入年200万円)
副業を白色申告で処理していたBさん。FP相談で青色申告への切り替え・複式簿記・経費計上の整理を進め、青色申告特別控除65万円を適用。所得税・住民税あわせて年30万円の節税を実現しました。
📋 60代後半・会社員のCさん(NISA初心者)
iDeCoとふるさと納税を「なんとなく」使っていたCさん。FPが控除の優先順位を整理し、住民税の所得割から逆算した最適な拠出額を提案。NISAとの併用で20年後に1,500万円を作る道筋が明確になりました。
FPに相談すべきケース
基礎控除は自動適用されるため手続き漏れの心配はありませんが、基礎控除と他の控除を組み合わせた家計全体の最適化にはFPの知見が役立ちます。配偶者控除と扶養控除の併用、医療費控除の申告漏れなど、FPに家計を整理してもらうことで年間数万円の節税につながるケースがあります。
副業・事業所得がある方は、基礎控除の引き上げ(33万円→43万円)の恩恵を最大限に活用できるかどうかがポイントです。青色申告特別控除や小規模企業共済等掛金控除と組み合わせた最適な控除構成をFPと一緒に設計すると、住民税を年間数万円単位で削減できる可能性があります。
合計所得金額が2,300〜2,500万円の方は、基礎控除の逓減域に入るかどうかの境目です。不動産売却や株式の譲渡益によって一時的に所得が跳ね上がる年は、タイミングをずらすことで基礎控除の満額適用を維持できる場合があります。こうした税務戦略はFPや税理士と事前に相談しておくのが効果的です。
年金受給者は、公的年金等控除と基礎控除の組み合わせで住民税が非課税になるラインを把握することが重要です。65歳以上の単身者であれば、年金収入155万円以下(所得45万円以下)で住民税所得割が非課税になる自治体が多く、住民税非課税世帯に該当すれば医療費や保険料の負担も大幅に軽減されます。
給付金の確認から、我慢していた支出を選び直す家計へ
ここで確認したいのは、受け取れるお金だけではありません。いま我慢している「休む・任せる・移動する・学ぶ」支出を、いつなら選べるかまで数字で見ることです。
たとえば最初に見るのは「安心して休める時間」。日帰りホテルの個室、寝具、食洗機やミールキットのように、物価高で後回しにしがちな支出を家計の中で選べるかを確認します。
お金の不安が強いと、働き方も、家族との時間も、自分のやりたいことも、どうしても後回しになりがちです。
FPに家計を相談する目的は、ただ節約することではありません。
給付金を確認し、毎月のお金の流れを整えることで、我慢していた支出を「いつ・いくらまでなら選べるか」まで整理し、休む、任せる、移動する、学ぶ、親や家族との時間を作る、といった選択肢が見えやすくなります。
なぜFP相談で変わるのか。使える給付金、毎月の固定費、教育費、住宅費、老後資金を同じ表に並べると、「削るべき支出」と「取り戻したい暮らしに使ってよい支出」の境目が見えやすくなるからです。
たとえば、こんな選択肢を数字で確認できます。
安心して休める時間
誰にも要求されない時間、眠れる環境、責任を一時停止できる仕組みにお金を使えるか。
家事・育児・段取りからの解放
名もなき家事、献立、送迎、連絡、調整を一人で抱えない形にできるか。
家計と将来不安の軽減
物価高、教育費、住宅ローン、老後資金の不安を見える化できるか。
子どもの選択肢を広げる教育・体験
英語、体験、旅行、習い事など、世界を見せる予算を作れるか。
家族の再起動としての旅行・非日常
連泊、温泉、自然の中で家族会話を回復する余白を作れるか。
健康回復・睡眠・老化対策
疲れが抜ける、痛くない、眠れる、朝動ける状態に投資できるか。
夫婦の関係回復
運営組織ではなく、伴侶として話せる時間を取り戻せるか。
親の介護・親との時間への備え
介護、見守り、帰省、親孝行、自分の老後準備に備えられるか。
自分の物理的逃げ場
書斎、椅子、ベランダ、サウナ、カフェのような避難場所を持てるか。
疲れない移動
駅近、送迎、グリーン車、ミニバン、近場高級宿を選べるか。
人生がまだ動く感覚
学び直し、副業、趣味、旅、挑戦にもう一度向かえるか。
お金の不安だけで、働き方や暮らし方を決めなくてよくなる。FPと一緒に、我慢の家計から選べる家計へ戻すための確認です。
FPと30分で、我慢していた支出を選べる家計に整理する(無料・Zoom) →
出典・改訂履歴・免責事項を見る
本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。
最終確認日:2026-05-14
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
本相談はIKIGAI TOWN編集部が運営するFP相談サービスです。各自治体の給付金窓口とは異なります。


































































































