産休中の住民税はどうなる?前年所得ベースの仕組みと負担の備え方
産休中の住民税は免除されない理由(前年所得課税)と、育休との違い、負担に備える方法を解説。
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産休中の住民税は免除されない
産休(産前産後休業)に入ると給与の支給が止まる会社が多いですが、住民税は免除されません。住民税は前年の所得に対して課税されるため、産休前にフルタイムで働いていた年の所得を基準に計算された住民税が、翌年6月以降に請求されます。産休中で収入が減っているタイミングに前年分の住民税を払うことになるため、負担感が大きいと感じる方が少なくありません。
なお、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は産前産後休業期間中の免除制度がありますが、住民税にはそのような免除制度が存在しません。住民税と社会保険料を混同しやすいため、産休に入る前に住民税の負担がどの程度発生するか把握しておくことが重要です。
具体的な金額を見てみましょう。前年の年収が350万円だった場合、住民税の年額は約14万〜15万円程度になります。普通徴収に切り替わった場合は年4回払いで1回あたり約3.5万〜3.8万円の出費です。出産手当金は日額の3分の2程度が支給されますが、住民税と合わせて家計を考える必要があります。住民税額の計算方法を知りたい方は住民税はいくら?年収別の計算方法をご覧ください。
産休前後の住民税タイムライン
産休・育休と住民税の関係は時系列で整理すると理解しやすくなります。以下は2025年9月に産休に入り、2026年3月まで育休を取得、2026年4月に復帰するケースの住民税タイムラインです。
| 時期 | 就業状況 | 住民税の対象年 | 住民税の負担 | 徴収方法 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年1〜8月 | フルタイム勤務 | 2024年分(前年所得) | 通常どおり課税 | 特別徴収(給与天引き) |
| 2025年9〜12月 | 産休・育休 | 2024年分(前年所得) | 通常どおり課税 | 会社により特別徴収継続 or 普通徴収 |
| 2026年1〜3月 | 育休中 | 2024年分(前年所得) | 残額を納付 | 普通徴収の可能性大 |
| 2026年4月〜 | 復帰 | 2025年分(1〜8月給与のみ) | 前年比で減額 | 特別徴収(給与天引き)再開 |
| 2027年6月〜 | フルタイム勤務 | 2026年分(4〜12月給与) | フル年ではないので減額 | 特別徴収 |
| 2028年6月〜 | フルタイム勤務 | 2027年分(12か月フル) | 通常水準に戻る | 特別徴収 |
この表から分かるとおり、産休・育休期間中は前年の所得に対する住民税が課税され続けますが、育休で給与ゼロの年の翌年度は住民税が大幅に下がるか非課税になります。住民税が通常水準に戻るのは、復帰後にフルタイムで12か月働いた年の翌年度(上記例では2028年6月)です。育休中の住民税については育休中の住民税でも詳しく解説しています。
前年所得課税の仕組み
住民税は前年1月から12月の所得をもとに翌年6月から課税される仕組みです。たとえば2025年9月に産休に入った場合、2025年1月から8月までの給与所得が2026年度の住民税の計算対象になります。産休前の8か月分の給与がベースになるため、フルタイムで12か月働いた年と比べると税額は下がりますが、ゼロにはなりません。
出産手当金(健康保険から支給)や出産育児一時金は非課税所得のため、住民税の計算には含まれません。同様に、育児休業給付金(雇用保険から支給)も非課税です。そのため、産休・育休で丸1年間給与の支給がなかった年の翌年度は、住民税が大幅に下がるか非課税になるケースが多くなります。
年収400万円で9月から産休に入った場合の具体例:1月〜8月の給与収入は約267万円(月額約33.3万円×8か月)。給与所得控除後の所得は約174万円、基礎控除と社会保険料控除を差し引いた課税所得は約85万円前後、住民税の所得割は約8.5万円+均等割5,000円で翌年度の住民税は約9万円となります。フルタイム勤務の年より約10万円少なくなりますが、収入がない期間に約9万円を納める必要がある点は変わりません。
育休中との違い
産休と育休はいずれも住民税の免除対象にはなりませんが、住民税の徴収方法に違いが出ることがあります。産休中は会社との雇用関係が続いているため、会社によっては引き続き給与から天引き(特別徴収)を継続し、復帰後にまとめて精算するケースもあります。一方、育休が長期間に及ぶ場合は普通徴収に切り替わり、自分で納付書を使って納めるパターンが一般的です。
育休中の住民税の徴収方法は会社の方針により異なるため、産休に入る前に人事・経理部門に確認しておくと安心です。普通徴収に切り替わる場合は、年4回の分割払い(6月・8月・10月・翌1月)になります。給与がない期間に住民税を自分で納めることになるため、あらかじめ納付額を把握して生活費の計画に組み込んでおきましょう。
もし納付が難しい場合は、自治体の窓口で分割納付や徴収猶予の相談が可能です。詳しくは住民税が払えないときの対処法をご覧ください。
負担を軽くする方法
産休中の住民税の負担を軽くするためにできることはいくつかあります。まず、医療費控除の活用です。出産に関する費用(妊婦健診の自己負担分、分娩費用から出産育児一時金を差し引いた残額など)が年間10万円を超える場合は、確定申告で医療費控除を受けることで翌年度の住民税を下げられます。
たとえば出産費用が総額60万円で出産育児一時金50万円を受け取った場合、差額10万円に妊婦健診の自己負担分(3万〜5万円程度)や通院の交通費を加えると、医療費控除の対象額は15万円前後になることがあります。医療費控除で住民税が年数千円〜1万円程度軽減されます。
次に、配偶者の税金面での対策も有効です。産休・育休で年収が減った年は配偶者の所得税・住民税で配偶者控除や配偶者特別控除が使える可能性があります。産休に入る前の年末調整や確定申告で配偶者側の控除申告を忘れないようにしてください。配偶者控除が適用されると配偶者側の住民税が3.3万円軽減されるため、世帯全体で見ると大きな効果があります。
住民税の納付が厳しい場合は、市区町村の窓口で分割納付や徴収猶予の相談ができるため、滞納する前に早めに相談することが大切です。住民税の非課税の条件に該当するかどうかも確認しておきましょう。
💬 相談事例から
📋 60代前半のAさん
定年退職後、アルバイトと年金で暮らすAさん。退職翌年の住民税が前年の高い給与所得をもとに計算されることを知らず、請求額に驚きました。FPが退職所得控除の適用確認と翌年以降の税額シミュレーションを行い、納付計画を整理しました。
📋 独立起業したばかりのBさん(法人設立済み)
会社員から独立したBさん。個人事業と法人の所得の線引きや、住民税の普通徴収への切り替え手続きがわからず相談。FPが収入見込みに合わせた住民税・社会保険料のシミュレーションを行い、経費計上と控除の組み合わせで節税計画を作成しました。
📋 30代会社員のCさん(副業あり)
副業収入のある会社員Cさん。副業分の住民税を普通徴収にする方法がわからず、会社に知られるのを心配していました。FPが確定申告書の「住民税に関する事項」の記入方法を案内し、青色申告化で年30万円の節税も実現しました。
FPに相談すべきケース
産休・育休は家計が大きく変動するライフイベントです。住民税だけでなく、出産手当金・育児休業給付金の受給計画、医療費控除の申告、配偶者控除の適用判定、復帰後のふるさと納税の控除上限額計算など、税制を横断的に整理する必要があります。とくに第2子以降で育休が延長になるケースや、復帰後に時短勤務で年収が下がるケースでは、住民税の推移を見通した家計計画をFPと一緒に立てておくと、想定外の出費に慌てずに済みます。
給付金の確認から、我慢していた支出を選び直す家計へ
ここで確認したいのは、受け取れるお金だけではありません。いま我慢している「休む・任せる・移動する・学ぶ」支出を、いつなら選べるかまで数字で見ることです。
たとえば最初に見るのは「安心して休める時間」。日帰りホテルの個室、寝具、食洗機やミールキットのように、物価高で後回しにしがちな支出を家計の中で選べるかを確認します。
お金の不安が強いと、働き方も、家族との時間も、自分のやりたいことも、どうしても後回しになりがちです。
FPに家計を相談する目的は、ただ節約することではありません。
給付金を確認し、毎月のお金の流れを整えることで、我慢していた支出を「いつ・いくらまでなら選べるか」まで整理し、休む、任せる、移動する、学ぶ、親や家族との時間を作る、といった選択肢が見えやすくなります。
なぜFP相談で変わるのか。使える給付金、毎月の固定費、教育費、住宅費、老後資金を同じ表に並べると、「削るべき支出」と「取り戻したい暮らしに使ってよい支出」の境目が見えやすくなるからです。
たとえば、こんな選択肢を数字で確認できます。
安心して休める時間
誰にも要求されない時間、眠れる環境、責任を一時停止できる仕組みにお金を使えるか。
家事・育児・段取りからの解放
名もなき家事、献立、送迎、連絡、調整を一人で抱えない形にできるか。
家計と将来不安の軽減
物価高、教育費、住宅ローン、老後資金の不安を見える化できるか。
子どもの選択肢を広げる教育・体験
英語、体験、旅行、習い事など、世界を見せる予算を作れるか。
家族の再起動としての旅行・非日常
連泊、温泉、自然の中で家族会話を回復する余白を作れるか。
健康回復・睡眠・老化対策
疲れが抜ける、痛くない、眠れる、朝動ける状態に投資できるか。
夫婦の関係回復
運営組織ではなく、伴侶として話せる時間を取り戻せるか。
親の介護・親との時間への備え
介護、見守り、帰省、親孝行、自分の老後準備に備えられるか。
自分の物理的逃げ場
書斎、椅子、ベランダ、サウナ、カフェのような避難場所を持てるか。
疲れない移動
駅近、送迎、グリーン車、ミニバン、近場高級宿を選べるか。
人生がまだ動く感覚
学び直し、副業、趣味、旅、挑戦にもう一度向かえるか。
お金の不安だけで、働き方や暮らし方を決めなくてよくなる。FPと一緒に、我慢の家計から選べる家計へ戻すための確認です。
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最終確認日:2026-05-14
※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本ページの情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。
本相談はIKIGAI TOWN編集部が運営するFP相談サービスです。各自治体の給付金窓口とは異なります。


































































































