税金・節税

不動産にかかる税金まるわかりハブ
買う・持つ・売る・継ぐで全部違う【2026】

税金と固定費を確認して毎月の手取りの余白を整える場面
税金や控除の確認を、毎月の手取りと将来資金の判断につなげます。

買うとき:印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税

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税制を家計の選択に当てはめる前に確認すること

  1. 期限

    適用する年分、申告・届出の期限、選択を変更できる期限を、制度ごとに分けて確認します。

  2. 手続き

    税額や適用可否は、国税庁・自治体・税理士の確認先へ。記事の一般情報だけで個別判定を確定しません。

  3. 家計判断

    税制上の有利不利と、手元資金・将来支出への影響を分けて比べます。

目次(14セクション)
  1. タイミング別 税金の全体マップ
  2. ① 買うときの税金 ― 印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税
  3. 印紙税の税額一覧と軽減措置
  4. 登録免許税の計算方法と軽減税率
  5. 不動産取得税の計算と軽減申告
  6. ② 持っているあいだの税金 ― 固定資産税・都市計画税
  7. 固定資産税の減額制度と負担調整
  8. ③ 売るときの税金 ― 譲渡所得税と特別控除
  9. 3,000万円特別控除と買換え特例の比較
  10. ④ 継ぐときの税金 ― 相続税・贈与税と不動産評価
  11. 小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減
  12. 不動産の税金シミュレーション ― 4,000万円の新築を買った場合
  13. 見落としやすい不動産税の落とし穴チェックリスト
  14. よくある質問(FAQ)

タイミング別 税金の全体マップ

「不動産の税金は複雑」と言われますが、払うタイミングで整理すれば一気にシンプルになります。下の図はそれぞれのタイミングで発生する税金と、一般的な負担額の目安です。

不動産にかかる税金の4タイミング流れ図 ①買う 取得時に1回 印紙税 登録免許税 不動産取得税 消費税(建物) 合計 物件価格の3-5% ②持つ 毎年(1月1日基準) 固定資産税 評価額×1.4% 都市計画税 評価額×0.3% 年8-20万円 ③売る 利益が出た時のみ 譲渡所得税 5年超 20.315% 5年以下 39.63% 3000万円控除 マイホーム特例 ④継ぐ 相続/贈与時 相続税 基礎控除超過分 贈与税 年110万円超 登録免許税0.4% → → → 不動産にかかる税金の4タイミング
図1: 家にかかる税金は買う・持つ・売る・継ぐの4回。タイミングで整理すれば全体像が一気にシンプルに見える。

① 買うとき

② 持っているあいだ

③ 売るとき

④ 継ぐとき

  • 相続税(基礎控除超過分に課税)
  • 贈与税(年110万円超)
  • 登録免許税(相続0.4%、贈与2.0%)

① 買うときの税金 ― 印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税

不動産を購入すると、契約・登記・取得の各段階で4種類の税金が発生します。物件価格とは別に、購入時の諸費用として物件価格の3〜5%程度を見込んでおく必要があります。

購入時にかかる4つの税金(一覧)
税金 課税タイミング 目安額(4,000万円の新築) 軽減措置
印紙税 売買契約書に貼付 1万円 電子契約なら非課税
登録免許税 所有権移転・保存登記時 15〜25万円 住宅用家屋の軽減税率(2027年3月末まで)
不動産取得税 取得後3〜6か月で通知 0〜36万円 新築住宅1,200万円控除(認定長期優良は1,300万円)
消費税 建物の引渡し時 建物価格の10% 土地は非課税・個人間売買も非課税

消費税は建物部分のみに課税され、土地には課税されません。また個人が売主の中古住宅では消費税は発生しません。不動産会社が売主の場合のみ建物に10%が課税されます。

印紙税の税額一覧と軽減措置

印紙税は不動産売買契約書に貼る収入印紙の税金です。契約金額に応じて段階的に税額が決まります。

不動産売買契約書の印紙税額
契約金額 本則税率 軽減税率
500万円超〜1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超〜1億円以下 6万円 3万円
1億円超〜5億円以下 10万円 6万円

なお、電子契約で締結した場合は印紙税が非課税になります。近年は不動産売買でも電子契約が普及しつつあり、印紙代を節約できる手段として注目されています。

登録免許税の計算方法と軽減税率

登録免許税は不動産の所有権を法務局に登記する際に課される国税です。「固定資産税評価額 × 税率」で計算します。

登記の種類別 税率(2027年3月31日まで)

登記の種類 本則税率 住宅用の軽減税率
所有権保存登記(新築) 0.4% 0.15%
所有権移転登記(売買) 2.0% 0.3%
抵当権設定登記(住宅ローン) 0.4% 0.1%
所有権移転登記(相続) 0.4% ―

軽減を受けるには、床面積50m²以上・自己居住用・取得後1年以内の登記などの要件があります。司法書士に依頼する場合は報酬(5〜10万円)も別途かかる点に注意してください。

不動産取得税の計算と軽減申告

不動産取得税は、土地や建物を取得したときに都道府県が課す地方税です。購入・新築・贈与で取得した場合に課税され、相続による取得は非課税です。

計算式

不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 税率(住宅は3%、非住宅は4%)

住宅取得の軽減措置

  • 新築住宅:評価額から1,200万円を控除(認定長期優良住宅は1,300万円)
  • 中古住宅:築年に応じて100〜1,200万円を控除(耐震基準適合が条件)
  • 土地:税額から「45,000円」または「土地1m²あたりの評価額 × 住宅床面積の2倍(上限200m²) × 3%」のいずれか大きい方を控除

軽減を受けるには都道府県税事務所への申告が必要です。申告しないと軽減前の税額で通知が届く場合があるため、取得後速やかに手続きしましょう。

② 持っているあいだの税金 ― 固定資産税・都市計画税

不動産を所有すると、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税と都市計画税が課税されます。これは不動産を持ち続ける限り毎年かかるランニングコストです。

固定資産税と都市計画税の比較
項目 固定資産税 都市計画税
課税主体 市区町村 市区町村(市街化区域のみ)
標準税率 1.4% 上限0.3%
住宅用地の特例(200m²以下) 評価額 × 1/6 評価額 × 1/3
住宅用地の特例(200m²超) 評価額 × 1/3 評価額 × 2/3
新築住宅の減額 税額 1/2(3〜5年間) なし
納付時期 年4回(6月・9月・12月・2月が標準、市区町村により異なる)

住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で固定資産税が最大1/6に軽減されます。空き家を解体して更地にすると特例が外れ、固定資産税が最大6倍になるため、解体前にFPや税理士に相談することをおすすめします。

固定資産税の減額制度と負担調整

固定資産税には新築住宅向けの減額制度のほか、省エネ・バリアフリー・耐震改修による減額もあります。

主な減額制度

制度 減額幅 適用期間・条件
新築住宅 税額 1/2 一般住宅3年間、3階建て以上の耐火構造は5年間
認定長期優良住宅 税額 1/2 一般住宅5年間、マンション7年間
耐震改修 税額 1/2 改修翌年から1年間(工事費50万円超)
省エネ改修 税額 1/3 改修翌年から1年間(工事費60万円超)
バリアフリー改修 税額 1/3 改修翌年から1年間(工事費50万円超・65歳以上の居住者等)

固定資産税評価額は3年に1度見直されます(直近の評価替えは2024年度)。評価額に疑問がある場合は、縦覧期間(毎年4月頃)に市区町村の窓口で確認・審査申出が可能です。

③ 売るときの税金 ― 譲渡所得税と特別控除

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税・復興特別所得税が課税されます。税率は所有期間で大きく異なります。

譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 売却価格 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除

所有期間別の税率

区分 所有期間 所得税 住民税 合計
短期譲渡 5年以下 30.63% 9% 39.63%
長期譲渡 5年超 15.315% 5% 20.315%
10年超の居住用 10年超 6,000万円以下の部分:14.21% 14.21%

所有期間は「取得した日」から「売却した年の1月1日時点」で判定します。12月に売却すると1月1日時点で5年を超えないケースがあるため、売却時期のタイミングに注意してください。

3,000万円特別控除と買換え特例の比較

マイホーム売却時に使える特例には複数ありますが、代表的な「3,000万円特別控除」と「買換え特例」は併用できないため、どちらが有利か比較検討が必要です。

主な売却特例の比較
項目 3,000万円特別控除 買換え特例
効果 譲渡所得から最大3,000万円を控除 課税を買換え先の売却時まで繰延べ
所有期間 制限なし 10年超
居住期間 居住しなくなってから3年目の年末まで 10年以上
売却価格の上限 なし 1億円以下
住宅ローン控除との併用 不可(適用年を含む前2年・後3年) 不可
向いているケース 利益3,000万円以下で確定精算したい 高額物件に買い換え、資金を手元に残したい

夫婦共有の場合、3,000万円特別控除はそれぞれに適用できるため最大6,000万円の控除が可能です。ただし、親族間の売買には適用されません。

④ 継ぐときの税金 ― 相続税・贈与税と不動産評価

不動産を相続または贈与で取得する場合、相続税または贈与税が課税されます。不動産は現金と異なり、相続税評価額が時価より低くなるため、相続対策として不動産を活用するケースも多くあります。

不動産の相続税評価のしくみ

対象 評価方法 時価に対する目安
土地(市街地) 路線価 × 地積 × 各種補正率 時価の約80%
土地(郊外) 固定資産税評価額 × 倍率 時価の約80%
建物 固定資産税評価額 時価の約60〜70%
賃貸建物 固定資産税評価額 ×(1 − 借家権割合30%) 時価の約40〜50%
貸付地 路線価 ×(1 − 借地権割合) エリアにより異なる

現金1億円をそのまま相続すると評価額は1億円ですが、同額の不動産(賃貸マンション等)に置き換えると評価額が4,000〜5,000万円程度になる場合があります。ただし、2024年の最高裁判決により、相続直前の駆け込み購入は否認されるリスクが高まっています。

小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減

被相続人の自宅の土地(特定居住用宅地等)は、一定の要件を満たすと相続税評価額を最大80%減額できます。相続税対策で最もインパクトが大きい制度の一つです。

小規模宅地等の特例 ― 区分別の減額割合
区分 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等(自宅) 330m² 80%
特定事業用宅地等(事業用) 400m² 80%
貸付事業用宅地等(賃貸用) 200m² 50%

適用の主な要件(特定居住用の場合)

  • 配偶者:無条件で適用(取得するだけでOK)
  • 同居親族:申告期限まで居住・保有を継続
  • 家なき子(別居親族):相続開始前3年以内に自己所有の家に住んでいない等の要件あり

この特例は相続税の申告が適用条件です。納税額がゼロでも申告が必要なので注意してください。

不動産の税金シミュレーション ― 4,000万円の新築を買った場合

4,000万円(土地2,000万円・建物2,000万円)の新築戸建てを購入し、30年後に売却、その後相続が発生したケースで、各段階の税金の目安をまとめます。

ライフサイクル全体の不動産税シミュレーション
タイミング 税金の種類 概算額 備考
① 買う 印紙税 1万円 軽減税率適用
登録免許税 約18万円 保存0.15% + 移転0.3% + 抵当権0.1%
不動産取得税 約0〜6万円 1,200万円控除で大幅減
消費税 200万円 建物2,000万円 × 10%
② 持つ(30年間) 固定資産税 + 都市計画税 約300〜450万円 年10〜15万円 × 30年
③ 売る 譲渡所得税 0円 3,000万円特別控除で非課税になるケースが多い
④ 継ぐ 相続税(不動産分) 状況次第 小規模宅地特例で80%減の可能性

このシミュレーションは一般的なケースの概算です。実際の税額は物件の所在地・評価額・家族構成・取得時期により異なります。正確な試算は税理士またはFPにご相談ください。

見落としやすい不動産税の落とし穴チェックリスト

不動産の税金は制度が多く、申告漏れや手続き忘れで損をするケースが少なくありません。以下のチェックリストで自分の状況を確認してみましょう。

  • 不動産取得税の軽減申告を都道府県税事務所に提出したか
  • 住宅ローン控除の初年度に確定申告を行ったか(2年目以降は年末調整で可)
  • 固定資産税の住宅用地特例が正しく適用されているか(納税通知書で確認)
  • 新築住宅の固定資産税減額期間(3〜7年)が終了したタイミングを把握しているか
  • 売却時の所有期間を「1月1日基準」で正しく計算したか
  • 3,000万円特別控除と住宅ローン控除が併用不可であることを認識しているか
  • 空き家を解体する前に固定資産税への影響を確認したか
  • 相続した不動産の登記(相続登記の義務化:2024年4月〜)を済ませたか
  • 小規模宅地等の特例を使う場合、納税額ゼロでも相続税申告が必要だと認識しているか
  • 贈与と相続のどちらで不動産を移転するのが有利か比較検討したか

1つでもチェックが付かない項目があれば、FPや税理士に相談して確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

不動産取得税はいつ届きますか?
不動産取得税の納税通知書は、登記後おおむね3〜6か月で届きます。届く前に軽減申告をしておくと、住宅用地の特例で大幅に減額されることがあります。届かない場合は都道府県税事務所に確認してください。
固定資産税と都市計画税の違いは何ですか?
固定資産税は全国一律で評価額の1.4%(標準税率)、都市計画税は市街化区域内の土地・建物にのみ課される上限0.3%の税です。合計で評価額の最大1.7%が毎年かかります。市街化調整区域の物件には都市計画税は課税されません。
マイホームを売ったときの3,000万円特別控除とは?
居住用財産を売却して利益が出た場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。夫婦共有の場合はそれぞれに適用でき、最大6,000万円の控除が可能です。ただし適用年を含む前後の一定期間は住宅ローン控除が使えません。
不動産の相続税評価額はどう決まりますか?
土地は路線価方式または倍率方式で評価され、時価のおおむね80%になります。建物は固定資産税評価額がそのまま使われ、時価の60〜70%程度です。賃貸物件はさらに借家権割合等が控除されるため、評価額が大きく下がります。
住宅ローン控除と不動産の税金は同時に使えますか?
はい。住宅ローン控除(年末残高の0.7%を最大13年間)は所得税・住民税から控除される制度で、不動産取得税や固定資産税の軽減措置とは別枠で適用できます。ただし、3,000万円特別控除を使った年の前後一定期間は住宅ローン控除が使えない点に注意してください。

関連トピック(あとで読む)

このページのよくある質問

マイホームを売ったときの3,000万円特別控除とは?
居住用財産を売却して利益が出た場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。夫婦それぞれが適用できれば最大6,000万円の控除が可能です。
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本ページの制度概要・要件・税率は、以下の公式情報を編集部が確認のうえ整理しています(執筆時点)。最新かつ正確な情報は必ず各公式サイトでご確認ください。FPは記事を直接監修してはおらず、関連テーマでご相談を受けるFPとしてご紹介しています。

最終確認日:2026年5月15日

※本記事は2026年5月時点の一般的な情報であり、個別の税務・経営・法務相談に代わるものではありません。各制度の適用要件・税額は個人の状況により異なります。実行にあたっては、必ず公式情報および税理士・社労士・FP・弁護士など専門家にご相談ください。本記事の情報により生じたいかなる損害についても、当サイトでは責任を負いかねます。