市民税と住民税の違い|同じ税なのに呼び方が違う理由【2026】
市民税と住民税は基本的に同じものです。住民税とは「道府県民税+市町村民税」の通称であり、そのうち市町村分を指して「市民税」と呼んでいます。自治体の通知書では「市民税・県民税」「特別区民税・都民税」「道民税・市町村民税」など、地域によって呼び方が変わるだけです。
結論(押さえるべき4点)
- 住民税=道府県民税+市町村民税 の総称
- 市民税=市町村民税 の略(住民税の「市」の部分)
- 東京23区は「特別区民税+都民税」
- 北海道は「道民税+市町村民税」
地域別の呼び方一覧
| 地域 | 通知書の記載 | 日常呼称 |
|---|---|---|
| 東京23区 | 特別区民税・都民税 | 住民税 |
| 東京都市部 | 市民税・都民税 | 市都民税/住民税 |
| 政令指定都市 | 市民税・県民税 | 市県民税/住民税 |
| 北海道 | 市町村民税・道民税 | 住民税 |
| 府県 | 市民税・府民税/市民税・県民税 | 市府民税・市県民税 |
税率の違いはない
全国どこでも所得割10%(道府県4%+市町村6%、政令市は2%+8%)は共通。均等割も標準5,000円(森林環境税含む)で、超過課税している自治体が数百円上乗せする程度です。
通知書で見るべき項目
6月の決定通知書は「都道府県分」と「市区町村分」が分かれて記載されます。左右や上下で対になっており、合計が「住民税年額」です。
どちらの呼び方が正しい?
地方税法上の正式名称は「道府県民税+市町村民税」。総称として「住民税」が最も正確で、自治体公式サイトでもこの呼び方が主流です。「市民税」は市町村分のみを指すため、厳密には都道府県分が抜け落ちる呼び方です。
正式名称と通称の完全対応表
| 地方税法上の名称 | 通称・略称 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 道府県民税 | 県民税・府民税・道民税 | 自治体の通知書・納付書 |
| 特別区民税+都民税 | 住民税 | 東京23区の通知書 |
| 市町村民税 | 市民税・町民税・村民税 | 市町村の通知書 |
| 道府県民税+市町村民税 | 住民税・市県民税 | 総称として全国共通 |
| 個人住民税 | 住民税 | 総務省・税理士会など公式 |
| 法人住民税 | 法人市民税・法人県民税 | 法人向け通知書 |
通知書を地域別に見比べる
通知書のタイトルは自治体ごとに微妙に違います。
- 東京都新宿区:「令和○年度 特別区民税・都民税 特別徴収税額の決定通知書」
- 横浜市:「令和○年度 市民税・県民税 税額決定通知書」
- 大阪市:「令和○年度 市民税・府民税 特別徴収税額決定通知書」
- 札幌市:「令和○年度 市・道民税 特別徴収税額決定通知書」
- 福岡市:「令和○年度 市民税・県民税 決定通知書」
書き方は違いますが、金額の根拠となる「課税所得」「所得割」「均等割」「調整控除」「税額控除」の構造はどこも同じです。
法人住民税と個人住民税の区別
住民税には個人に課税される「個人住民税」と法人に課税される「法人住民税」があり、両者はまったく別の税金です。
| 区分 | 個人住民税 | 法人住民税 |
|---|---|---|
| 対象 | 個人 | 法人 |
| 税率 | 一律10%+均等割5,000円 | 法人税額×10.4%+均等割7万円〜 |
| 申告 | 確定申告または年末調整 | 法人税申告と同時 |
| 納付 | 毎月天引きor年4回 | 事業年度ごと |
単に「住民税」というときは一般的に「個人住民税」を指します。
歴史:なぜ市民税と県民税に分かれているのか
明治期の地方税制整備で、都道府県と市町村それぞれが独自財源を持つ構造が作られました。1950年のシャウプ勧告で現在の道府県民税+市町村民税の二層構造が確立し、1975年に均等割の定額化、1999年に「住民税」という総称が公文書でも使われるように。
2024年からの森林環境税は国税ですが、徴収の利便性から住民税の均等割と合算徴収される特殊な設計になっています。
都道府県・市区町村の税収配分
所得割10%のうち、都道府県4%・市区町村6%(政令市は2%+8%)が原則。ただし地方交付税交付金を通じて都道府県から市町村へ、国から不交付団体へ資金が再配分される仕組みがあります。
東京都は不交付団体(特別区の財政調整は別制度)、政令指定都市の一部(川崎市・福岡市)も不交付団体で、自己財源比率が高い傾向です。
地域別の具体例
住民税の用語集(このページで使った言葉)
- 所得割
- 前年の課税所得に10%(道府県4%+市町村6%)を掛けて計算する住民税の主要部分。年収に応じて変動する。
- 均等割
- 所得に関係なく住民全員が定額で負担する部分。標準は年5,000円(道府県1,500円+市町村3,500円+森林環境税1,000円)。
- 森林環境税
- 2024年度から徴収開始された国税。均等割と一緒に年1,000円が徴収され、森林整備の財源になる。
- 特別徴収/普通徴収
- 特別徴収は勤務先が給与天引きで自治体に納める方式(会社員)、普通徴収は納税者本人が納付書で納める方式(自営業など)。
- 調整控除
- 所得税と住民税で基礎控除・扶養控除などの金額差があるため、住民税が過大にならないよう調整する控除。年2,500円前後。
- 寄附金税額控除
- ふるさと納税などの寄附金を住民税から直接差し引く制度。6月の通知書で反映を確認できる。
- 定額減税
- 2024年から実施されている税額軽減策。住民税から1人1万円(本人+控除対象配偶者+扶養親族)が差し引かれる。
- 1月1日時点の住所地
- 住民税はこの時点での住民票所在地の自治体に1年分納める。年の途中で引っ越しても納付先は変わらない。
住民税で損しないための10項目チェックリスト
- 6月の通知書が届いたら「課税所得」「所得割額」「寄附金税額控除」の3項目を必ず確認
- ふるさと納税はワンストップ特例の提出期限(翌年1月10日)を守る
- 生命保険料・地震保険料・iDeCoの控除証明書は年末調整で必ず提出
- 医療費が世帯で10万円を超えたら確定申告で医療費控除を申告
- 副業がある人は住民税申告で「自分で納付」を選択
- 要介護の親・配偶者がいる場合は障害者控除対象者認定書を取得
- 退職・独立する人は翌年の住民税分を退職前に積み立てる
- 育休・休職で所得が激減したら減免申請を検討
- 納期に間に合わないなら延滞金発生前に徴収猶予を申請
- 過去5年分の申告漏れは更正の請求で還付される可能性あり
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よくある質問
Q. 通知書に「市民税」しか書いていないのはなぜ?
政令指定都市の一部で、市民税と県民税を別々の通知書に分けて送る自治体があります。県民税分の通知書も別で届いているはずです。
Q. 市民税と住民税で控除額は違う?
同じです。基礎控除43万円・配偶者控除33万円など、道府県分と市町村分で同一の控除を使います。
Q. 住民税を払うと市民税も払ったことになる?
はい。住民税には市町村民税(=市民税)が含まれています。
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